コマイ

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北海道の厳しい冬を象徴する魚であり居酒屋のおつまみとして定番のコマイ。漢字で氷下魚と書くように厚い氷に穴を開けて網や釣り糸を垂らして獲る漁法が冬の風物詩となっています。干物になった姿はカンカイと呼ばれ硬い皮をむしってマヨネーズと一味唐辛子をつけて食べるのが道産子のソウルフードです。タラ科の魚特有の淡白な白身は干すことで旨味が凝縮され噛めば噛むほど味わい深くなります。鮮度が良ければ刺身やルイベでも楽しめるこの北国の魚の生態や美味しい食べ方について解説します。

項目内容
分類タラ目タラ科コマイ属
標準和名コマイ
漢字氷下魚
別名カンカイ、ゴタッペ(幼魚)、オオマイ(大型)
学名Eleginus gracilis
英名Saffron cod
季節冬(1月から3月)
生息域北海道全沿岸、オホーツク海、ベーリング海
目次

コマイとは

コマイは北太平洋の寒冷な海域に生息するタラ科の魚です。

名前の由来はアイヌ語で「コマ・エ(小さな音のする魚)」と呼ばれていたものが訛ったという説や氷の下に生息することから名付けられたという説があります。

特に干物にしたものはカンカイ(寒海)と呼ばれ北海道土産や酒の肴として全国的に知られています。

サイズによって呼び名が変わる出世魚のような側面もあり小さなものをゴタッペ、中型をコマイ、大型のものをオオマイと呼ぶことがあります。

マダラやスケトウダラと同じタラの仲間であり身質や味も似ていますがコマイはより小型で沿岸の浅い場所に生息しています。

コマイの特徴

体長は30センチメートルから40センチメートルほどになります。

体型は細長くタラ科の特徴である3つの背ビレと2つの尻ビレを持っています。

体色は背中側が褐色や緑褐色で腹側は銀白色をしています。

よく似ているマダラやスケトウダラとの見分け方は下顎のヒゲと体の模様です。

コマイの下顎にはマダラよりは短いがしっかりとしたヒゲが1本あります(スケトウダラのヒゲは痕跡的で見えにくい)。

またマダラのようなまだら模様やスケトウダラのような縦帯はなく側線が頭部で湾曲し途中で途切れているのが特徴です。

コマイの生態とライフサイクル

食性は肉食性でオキアミなどの甲殻類や小魚ゴカイなどを捕食します。

冷たい海を好み水温の低い沿岸域や内湾に生息しています。

産卵期は厳寒期の1月から3月頃です。この時期になると産卵のために岸近くの浅場や結氷した湾内に入ってきます。

氷の下で産卵が行われるため氷に穴を開けて釣る氷上釣りのターゲットとなります。

卵は粘着性があり海底の石や海藻に付着します。

成長は比較的早く1年で15センチメートル2年で25センチメートルほどになり3年から4年で成魚となります。

コマイの分布と生息環境

日本では北海道の全沿岸に分布していますが特にオホーツク海側や太平洋側の根室海峡周辺で多く見られます。

海外では朝鮮半島東岸からオホーツク海ベーリング海アラスカ沿岸まで北太平洋北部に広く分布しています。

水深数メートルから200メートル程度の大陸棚に生息していますが産卵期には数メートルの極浅い場所までやってきます。

汽水域にも入ることがあり河口付近で釣れることもあります。

コマイの釣り方

北海道の冬の釣りの代表格です。寒さ対策を万全にして挑みます。

氷上穴釣り

凍結した湖や港湾(能取湖やサロマ湖など)の氷にドリルで穴を開けて釣ります。

専用の短い竿を使いブラーと呼ばれる仕掛けや胴突き仕掛けにイソメをつけて底を探ります。

群れに当たると入れ食いになり短時間で数十匹釣れることもあります。ワカサギ釣りとはまた違った重量感のある引きを楽しめます。

投げ釣り

春先や晩秋には防波堤やサーフからの投げ釣りで狙います。

遊動式の天秤仕掛けにイソメを房掛けにして遠投します。

夜釣りで大型のオオマイが釣れることが多く数釣りも期待できます。

コマイの料理

タラ科特有の癖のない白身はどのような料理にも合いますがやはり干物が一番です。鮮度が良いものは生食も可能です。

一夜干し・生干し

コマイの最もポピュラーな食べ方です。

軽く塩をして干すことで余分な水分が抜け旨味が凝縮されます。

焼いてから皮をむき身をほぐしてマヨネーズと一味唐辛子醤油をつけて食べるのが北海道流です。硬い皮を剥く作業も楽しみの一つです。骨が取りやすく身離れが良いので食べやすいです。

ルイベ(刺身)

釣りたてや鮮度の良いものはルイベ(冷凍刺身)にします。

一度冷凍することで寄生虫(アニサキス)のリスクを回避し半解凍のシャリシャリとした食感を楽しみます。淡白な中に甘みがありとろけるような味わいは絶品です。

コマイの子(醤油漬け)

産卵期のメスが持つ卵(卵巣)はタラコに似ており醤油漬けにするとご飯のお供に最高です。

粒がしっかりとしておりプチプチとした食感を楽しめます。

鍋料理・三平汁

生のコマイをぶつ切りにして野菜と一緒に塩味で煮込む三平汁や味噌鍋にします。

良い出汁が出て身はホクホクとして美味しいです。

まとめ

コマイは極寒の北国が育てた冬の恵みです。厚い氷の下で静かに命を繋ぐこの魚は厳しい冬を過ごす人々にとって欠かせないタンパク源であり心の拠り所でもあります。居酒屋でカンカイを注文して一味マヨネーズで味わう時はぜひその向こうにある北海道の白い海を思い浮かべてみてください。

コマイに関するよくある質問

カンカイとコマイの違いは

基本的に同じ魚を指します。生物学的な名称は「コマイ」ですが干物や乾物として加工された状態のものを「カンカイ(寒海)」と呼ぶのが一般的です。ただし地域や人によっては生の魚自体をカンカイと呼ぶこともあります。

寄生虫はいますか

タラ科の魚であるコマイにはアニサキスなどの寄生虫が寄生している可能性があります。加熱調理や干物にして焼く場合は問題ありませんが刺身で食べる場合は必ず一度冷凍(マイナス20度で24時間以上)してルイベにするか目視で徹底的に確認する必要があります。安全のためにはルイベで食べることをおすすめします。

骨は食べられますか

小さなゴタッペサイズであれば唐揚げや甘露煮にして骨ごと食べることができますが成魚のコマイは骨が硬いため取り除く必要があります。干物を食べる際は中骨をするっと引き抜くことができます。

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この記事を書いた人

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