トヤマエビ

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高級寿司店や鮮魚店で「ボタンエビ」という名前で売られている大きな赤いエビ。実はその多くは標準和名「トヤマエビ」であることをご存知でしょうか。ボタンエビという標準和名のエビも実在しますが、漁獲量が少なく非常に希少であるため、市場ではこのトヤマエビがボタンエビの代名詞として流通しています。鮮やかなオレンジ色の殻と、お腹に抱えた宝石のように美しい青緑色の卵がトレードマークです。水深の深い冷たい海で育つため、その身はとろけるように甘く、プリプリとした弾力があり、エビ類の中でも最高クラスの味わいを誇ります。名前の由来となった富山湾をはじめ、北海道や日本海側で水揚げされるこの赤い宝石の生態や、本家ボタンエビとの違い、そして余すところなく味わうための料理について解説します。

項目内容
分類十脚目タラバエビ科タラバエビ属
標準和名トヤマエビ
漢字富山海老
別名ボタンエビ(市場名)、タラエビ、キジエビ
学名Pandalus hypsinotus
英名Coonstripe shrimp
季節冬から春
生息域日本海、北海道、オホーツク海、ベーリング海
目次

トヤマエビとは

トヤマエビは、日本海やオホーツク海などの水深100メートルから400メートル付近の深海に生息するタラバエビ科のエビです。

1896年に富山湾で採集された標本をもとに新種として記載されたため、「トヤマエビ」という標準和名が付けられましたが、実際には北海道やロシア近海など北の海の方が漁獲量は多いです。

成長するとオスからメスへと性転換する「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」という生態を持っており、生まれた時はすべてオスで、大きくなるとメスになり卵を産みます。

市場では、その見た目の豪華さと味の良さから「ボタンエビ」の名で通っており、お歳暮や贈答品としても重宝されています。

トヤマエビの特徴

体長は最大で20センチメートルを超え、太くてボリュームがあります。

体色は全体的に赤橙色で、殻には不規則な赤い縞模様が入っています。

最大の特徴は、横から見た時に背中がぐっと高く盛り上がっていることと、頭部の角(額角)が反り上がっていることです。

また、メスがお腹に抱えている卵の色も特徴的で、鮮やかな青緑色(エメラルドグリーン)をしており、赤い体とのコントラストが非常に美しいです。

この卵は加熱すると赤くなりますが、生の状態ではこの独特の青色が新鮮さの証でもあります。

本家「ボタンエビ」との違い

市場で混同されている標準和名「ボタンエビ」と「トヤマエビ」には明確な違いがあります。

ボタンエビ(標準和名)

体長はやや小さめ。体色は赤色が濃く、赤い斑点が散らばっています。背中の縞模様はありません。太平洋側の暖かい海域(千葉県以南など)に生息しており、漁獲量は非常に少ないです。

トヤマエビ(標準和名)

体長は大きく、背中が盛り上がっています。殻に縞模様があります。日本海側や北海道などの冷たい海域に生息しており、一般的に「ボタンエビ」として売られているのはこちらが9割以上です。

トヤマエビの漁法

トヤマエビは深海に生息しているため、主に「エビ籠(かご)漁」や「底引き網漁」で漁獲されます。

特にエビ籠漁は、餌を入れた籠を海底に沈めてエビが入るのを待つ漁法で、魚体を傷つけずに生きたまま捕獲できるため、高鮮度の状態で出荷することが可能です。

釣り(遊漁)の対象となることはほとんどありませんが、深海釣りで稀に針に掛かることがあります。

食材としての評価

甘エビ(ホッコクアカエビ)を巨大にして、さらに甘みと弾力を強化したような味わいで、エビ好きにはたまらない高級食材です。

身に含まれるグリシンやアラニンなどのアミノ酸が豊富で、口に入れた瞬間に濃厚な甘みが広がります。

サイズが大きいため食べ応えがあり、一尾で十分な満足感を得られます。

身だけでなく、頭の中にあるエビ味噌も濃厚でコクがあり、青い卵もプチプチとした食感で美味です。

価格は高めで、特に大型の子持ちメスは高値で取引されます。

トヤマエビの料理

新鮮なものは刺身が一番ですが、加熱すると甘みが増し、殻の香ばしさも楽しめます。

刺身

トヤマエビのポテンシャルを最も引き出す食べ方です。

殻を剥いて背ワタを取り、そのまま醤油とわさびで食べます。

ねっとりとした舌触りと強烈な甘みは絶品です。

青い卵を身の上に乗せて一緒に食べると、食感のアクセントになります。

頭は捨てずに味噌汁に使いましょう。

塩焼き

殻付きのまま塩を振って焼きます。

加熱することで殻の香ばしさが身に移り、甘みがより一層際立ちます。

頭の部分には濃厚な味噌が詰まっているので、チューチューと吸って味わいます。

味噌汁(頭汁)

刺身で残った頭を集めて味噌汁にします。

トヤマエビの頭からは非常に良い出汁が出るため、余計な出汁を加える必要がないほどです。

エビの旨味が凝縮されたスープは、最後の一滴まで飲み干したくなる美味しさです。

しゃぶしゃぶ

贅沢にエビしゃぶにするのもおすすめです。

殻を剥いた身を熱い出汁にサッとくぐらせ、表面が白くなった程度の半生状態で食べます。

生とは違ったプリッとした食感と、温められて活性化した甘みを楽しめます。

まとめ

トヤマエビは、その名の由来となった富山の海だけでなく、北日本の食卓を彩る深海の赤い宝石です。普段私たちが「ボタンエビ」と呼んで舌鼓を打っているそのエビは、実はこのトヤマエビかもしれません。背中の高い盛り上がりと青緑色の卵を見つけたら、それはトヤマエビである証拠です。刺身でとろける甘さを楽しんだ後は、頭を焼いたり味噌汁にしたりして、深海の恵みを余すところなく堪能してください。

トヤマエビに関するよくある質問

青い卵は食べられますか

はい、美味しく食べられます。

見た目が青緑色なので驚くかもしれませんが、これはトヤマエビ特有の色素によるもので、品質には全く問題ありません。

生のまま軍艦巻きにしたり、刺身に添えたりしてプチプチとした食感を楽しみます。

加熱すると一般的なエビの卵と同じように赤くなります。

殻は食べられますか

殻は比較的硬いため、そのまま食べるのは難しいです。

ただし、唐揚げにしてじっくりと二度揚げすれば、頭から殻ごとバリバリと食べることができます。

塩焼きの場合は、殻を剥いて食べるのが一般的です。

旬はいつですか

産地によって異なりますが、一般的には水温が下がる冬から春にかけてが旬とされています。

この時期は身が引き締まり、甘みが強くなります。

また、春先はメスが卵を抱えている確率が高くなります。

冷凍技術の発達により、通年美味しいものが流通しています。

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この記事を書いた人

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