トキシラズ

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秋の味覚として知られる鮭ですが季節外れの春から初夏にかけて獲れる幻の鮭が存在します。それがトキシラズです。名前の通り時を知らずに回遊してきた若い鮭であり産卵の準備に入っていないため卵や白子に栄養を取られることなく全身に脂が蓄えられています。その脂乗りは秋鮭の数倍とも言われとろけるような食感と濃厚な旨味は鮭の常識を覆すほどの衝撃を与えます。北海道では高級魚として珍重され贈答品としても人気が高いこの鮭の正体と美味しさの秘密について解説します。

項目内容
分類サケ目サケ科サケ属
標準和名シロザケ(季節外れの個体)
漢字時不知、時鮭
別名トキ、オオメ
学名Oncorhynchus keta
英名Chum salmon
季節春から初夏(5月から7月)
生息域北太平洋、日本海、オホーツク海
目次

トキシラズとは

トキシラズは特定の鮭の種類を指す言葉ではなく春から初夏にかけて水揚げされる若いシロザケのことを指します。一般的に鮭(シロザケ)は秋に産卵のために生まれた川へ戻ってきますがトキシラズはロシアのアムール川などへ帰る途中の未成熟な個体が回遊ルートを外れて日本の沿岸に現れたものです。秋の漁期ではない時期に獲れることから時を知らない鮭つまり時不知(トキシラズ)と名付けられました。漁獲量は秋鮭に比べて圧倒的に少なく希少価値が高いため市場では高値で取引されています。

トキシラズの特徴

外見は一般的なシロザケと同じですがいくつかの特徴的な違いがあります。まず魚体全体が銀色に輝いており美しい姿をしています。これは川に入る前の海で栄養を蓄えている状態であることを示しています。また未成熟であるため顔つきが優しく鼻曲がりになっていないのも特徴です。最大の違いは身質にあります。産卵を控えた秋鮭は卵や白子に栄養を送るため身の脂が落ちてしまいますがトキシラズは生殖巣がまだ発達していないため摂取した栄養が全て身の脂として蓄積されています。その脂の量は秋鮭の3倍から4倍とも言われ全身が霜降り状態になっています。

トキシラズの生態とライフサイクル

トキシラズの正体はロシアのアムール川などを母川とするシロザケです。日本の川で生まれた鮭は北太平洋へ旅立ち数年後に戻ってきますがトキシラズは日本の川へ戻る魚ではありません。北太平洋を回遊中に餌を求めて日本の近海(北海道沿岸や三陸沖)に立ち寄ったところを定置網などで漁獲されます。本来であれば秋にロシアの川へ戻るはずの魚ですが春から夏にかけての栄養豊富な時期に獲られるため最高のコンディションを保っています。餌となるオキアミや小魚をたっぷりと食べているため非常に健康で脂が乗っています。

トキシラズの分布と漁獲

主な漁場は北海道の太平洋側やオホーツク海側です。特に釧路や根室などの道東地域や日高地方での水揚げが有名です。また三陸沖でも獲れることがあり地域によってはオオメ(大目)と呼ばれることもあります。漁期は5月から7月頃までの短い期間に限られておりこれが旬となります。定置網漁や流し網漁で漁獲されますが群れで押し寄せる秋鮭とは異なり散発的に獲れるためまとまった量を確保するのが難しくこれが希少価値を高める要因となっています。

トキシラズの釣り

トキシラズを専門に狙う釣りは一般的ではありません。船釣りでのサクラマス釣りやタラ釣りの外道として稀に掛かることがありますが確率は非常に低く釣り上げることは宝くじに当たるような幸運とされています。もし運良く釣り上げることができればその銀色に輝く魚体と圧倒的な脂乗りは釣り人冥利に尽きる最高のご褒美となります。

トキシラズの料理

全身に脂が乗ったトキシラズは焼いても煮ても刺身でも絶品です。鮭特有のパサつきは一切なくとろけるような食感を堪能できます。

塩焼きはトキシラズの美味しさを最もダイレクトに味わえる食べ方です。加熱すると身から溢れ出る脂が皮をパリッと焼き上げ香ばしい香りが漂います。身はふっくらとしており口の中でほぐれると同時に甘みのある脂が広がります。醤油をかけずにそのままの塩味だけで十分に美味しいです。

ルイベ(刺身)は一度冷凍してから半解凍状態で食べる北海道の郷土料理です。アニサキス対策として冷凍処理が必要ですが口に入れた瞬間に体温で脂が溶け出し濃厚な旨味を感じられます。わさび醤油との相性は抜群でマグロの大トロにも引けを取らない味わいです。

ちゃんちゃん焼きは北海道の名物料理ですがトキシラズを使うとワンランク上の味になります。味噌とバターのコクがトキシラズの脂と絡み合い野菜と一緒に蒸し焼きにすることで旨味が全体に行き渡ります。

石狩鍋や三平汁などの汁物にすると良い出汁が出ると同時に身の脂がスープに溶け出し黄金色の輝きを放ちます。煮込んでも身が硬くなりにくく最後まで美味しく食べられます。

まとめ

トキシラズは季節外れの贈り物とも言える奇跡の鮭です。産卵という使命から解放されたその身には鮭本来の生命力と美味しさが凝縮されています。秋鮭とは全く別物の魚と考えた方が良いかもしれません。スーパーや鮮魚店で見かける機会は少ないですがもし初夏の北海道物産展や市場でトキシラズという文字を見つけたらぜひそのとろける脂と至福の味わいを体験してみてください。

トキシラズに関するよくある質問

ケイジ(鮭児)との違いは何ですか

ケイジ(鮭児)は1万匹に1匹と言われるさらに希少な鮭で生殖巣が全く発達していない未成熟な個体です。トキシラズよりもさらに若く全身が脂の塊のようになっています。トキシラズも若い鮭ですがケイジはさらにその上を行く幻中の幻の鮭として区別され価格も桁違いに高くなります。

生で食べられますか

トキシラズは天然の鮭であるためアニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。そのため水揚げ直後のものをそのまま刺身で食べるのは危険です。必ずマイナス20度以下で24時間以上冷凍処理を行ったルイベにするか信頼できる店で適切に処理されたものを食べるようにしてください。

保存方法は

脂が多いため酸化しやすいので購入後は早めに食べるのが一番です。保存する場合は切り身にしてラップで空気が入らないようにぴっちりと包みジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存します。塩漬けにして山漬けなどに加工されたものは保存性が高いですが塩抜きが必要になる場合があります。

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この記事を書いた人

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