シマウシノシタ

海底の砂地に横たわる、白と黒のストライプ模様。まるでシマウマ(ゼブラ)のような柄をした、非常にユニークな魚です。名前の通り「縞模様(シマ)のある、牛の舌(ウシノシタ)のような形」をしています。市場では、クロウシノシタやアカウシノシタなどと共に「シタビラメ(舌平目)」の総称で売られていることが多く、フランス料理の高級食材「ムニエル」には欠かせない、極上の白身魚です。
| 項目 | 内容 |
| 分類 | カレイ目ササウシノシタ科シマウシノシタ属 |
| 標準和名 | シマウシノシタ |
| 漢字 | 縞牛の舌 |
| 別名 | シタビラメ(総称)、ツナギ(神奈川)、ゲタ(瀬戸内) |
| 学名 | Zebrias zebrinus |
| 英名 | Zebra sole |
| 全長 | 20cm〜30cm |
| 季節 | 秋から春 |
| 生息域 | 北海道以南の日本各地、浅い砂泥底 |
シマウシノシタとは
シマウシノシタは、浅い海の砂地に生息するカレイの仲間(ウシノシタ類)です。
体長は25センチメートル前後。
最大の特徴は、体にハッキリと入った黒い横縞(バンド)です。
この縞模様は、よく見ると2本ずつセットになっていることが多いです。
敵に襲われないよう、砂底の模様に擬態していると考えられています。
形は細長く、靴の中敷き(ソール)や、牛の舌のように見えることから「ウシノシタ」と呼ばれますが、このシマウシノシタは特に模様が目立つため、一度見たら忘れないインパクトがあります。
「アカ・クロ・シマ」の違い
「シタビラメ」として流通する魚には、主に3つの種類があります。
| 種類 | 特徴と評価 |
| アカウシノシタ(赤) | 全体が赤褐色。最高級品。大型になり、身が厚く最も美味とされる。 |
| クロウシノシタ(黒) | 全体が黒紫色。一般的。アカに次ぐ美味しさで流通量が多い。 |
| シマウシノシタ(縞) | 縞模様がある。やや小型で身が薄いが、味は非常に良い。価格は手頃。 |
※どれも「シタビラメ」の名で売られていますが、シマウシノシタはその模様ですぐに判別できます。
食材としての評価
見た目は派手ですが、味は「上品でクセのない極上の白身」です。
カレイ目特有の繊細な身質で、加熱するとフワフワになります。
特に縁側(エンガワ)の部分にはゼラチン質と脂があり、焼くと香ばしい旨味が出ます。
やや小ぶりで身が薄い個体が多いですが、その分、骨からの身離れが良く、子供でも食べやすい魚です。
シマウシノシタの料理
「シタビラメ=ムニエル」と言われるほど、油との相性が抜群です。
ムニエル
この魚のためにあるような料理法です。
皮を剥いで塩コショウと小麦粉をまぶし、多めのバターで焼き上げます。
バターのコクが淡白な白身に染み込み、外はカリッ、中はフワッとした食感が楽しめます。
レモンを絞ると、フレンチのメインディッシュになります。
煮付け
和風の煮付けも美味しいです。
身が柔らかいので、あまり煮すぎないのがコツです。
皮を剥いてから煮ると、味がよく染み込みます。
唐揚げ
小型のものは唐揚げがおすすめです。
5枚おろしにする必要はなく、皮を剥いて丸ごと(またはぶつ切りで)揚げます。
ヒレ(エンガワ)の部分がカリカリになり、スナック感覚で食べられます。
調理のコツ:皮を剥ぐ
ウシノシタ類は、ウロコが細かく皮が非常に丈夫で臭みがあるため、調理前に皮を剥ぐ(スキンレスにする)のが基本です。
- 口先を切る:頭の先端(口がある方)を少し切り落とします。
- めくる:切り口から皮を少しめくります。
- 引き剥がす:キッチンペーパーなどで皮を掴み、尻尾に向かって一気に引き剥がします。
- ベリベリッ!と綺麗に剥がれるので、意外と快感です。
- 表(模様側)だけでなく、裏(白い側)の皮も剥ぎます。
まとめ
シマウシノシタは、海底のファッションリーダーのような縞模様を持った魚です。アカウシノシタのような高級感はありませんが、味は正真正銘の「シタビラメ」。スーパーで縞々の平べったい魚を見つけたら、それはお家でフレンチ気分を味わうチャンスです。皮をベリッと剥がして、バターたっぷりのムニエルで召し上がってみてください。
シマウシノシタに関するよくある質問
どこで釣れますか?
砂浜からの投げ釣り(キス釣りなど)の外道としてよく釣れます。
エサのイソメを食べてきます。
口が小さいので、小さな針に掛かってくることが多いです。
ウシノシタとカレイ・ヒラメの違いは?
目が体の片側に寄っている点は同じですが、「口の形」が違います。
カレイやヒラメは口が前を向いていますが、ウシノシタ類は口が小さく、下(裏側)に曲がって付いています。
また、背ビレと尻ビレが尾ビレと繋がっている(あるいは非常に近い)のも特徴です。
「ゲタ」とは何ですか?
瀬戸内海地方などでの別名です。
その形が、昔の履物である「下駄(ゲタ)」の底の形に似ていることからそう呼ばれます。
岡山県などでは「ゲタの煮付け」は郷土の味として親しまれています。































