ホラガイ

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戦国時代の合戦の合図や修験道の法具としてブオォーという重低音を響かせる楽器として有名なホラガイ。実は楽器としてだけでなくサンゴ礁を守る海の守護神としての重要な一面を持っています。日本に生息する巻貝の中では最大級の大きさを誇り、その肉はアワビにも匹敵するほどの旨味と歯ごたえを持つ絶品食材でもあります。しかしサンゴを食い荒らすオニヒトデの数少ない天敵であるため、むやみな捕獲は推奨されていません。その生態や楽器としての歴史、そして知る人ぞ知る味について解説します。

項目内容
分類腹足綱盤足目フジツガイ科ホラガイ属
標準和名ホラガイ
漢字法螺貝
別名ホラ、ジンガイ(陣貝)
学名Charonia tritonis
英名Triton’s trumpet
季節通年
生息域紀伊半島以南、インド・太平洋のサンゴ礁
目次

ホラガイとは

ホラガイは日本の南岸から熱帯域にかけて分布する非常に大型の巻貝です。

殻の高さは40センチメートルを超え、時には50センチメートルに達することもあり、日本産の巻貝としては最大種の一つに数えられます。

美しい模様と堅牢な殻を持つことから、古くから中身をくり抜いて吹き口を加工し、楽器として利用されてきました。

生態面ではサンゴ礁の生態系を維持する上で極めて重要な役割を担っています。

サンゴを死滅させる厄介者であるオニヒトデを捕食する数少ない天敵であり、ホラガイ1匹で多くのオニヒトデを駆除する能力があります。

そのため沖縄県やオーストラリアのグレートバリアリーフなどでは、サンゴ礁保全の観点から捕獲が禁止あるいは自粛されている地域が多いです。

ホラガイの特徴とオニヒトデとの関係

サンゴ礁の守護神

ホラガイは肉食性で、主にヒトデやナマコなどの棘皮動物を襲って食べます。

特に毒を持ち体も硬いオニヒトデであっても、ホラガイは物ともしません。

獲物を見つけると大きな殻を振り回して押さえ込み、硫酸を含む特殊な唾液を分泌してオニヒトデの皮膚を溶かし、麻痺させてから中身を啜り食います。

オニヒトデが大発生してサンゴが壊滅的な被害を受ける原因の一つとして、天敵であるホラガイが乱獲されて減少したことが挙げられることもあります。

楽器としての法螺貝

殻の頂点部分を切り落とし、そこに石膏や木でできた吹き口を取り付けることで楽器になります。

唇を振動させて音を出す金管楽器(トランペット)と同じ原理であり、熟練者は音程を変えることも可能です。

山伏が魔除けや通信手段として用いたり、戦国武将が軍勢の進退を告げる陣貝として使用したりした歴史があります。

ホラガイの獲り方

基本的には素潜り漁やダイビング中に海底で見つけることで捕獲されます。

水深数メートルから20メートル付近のサンゴ礁や岩場に生息していますが、日中は岩陰に隠れていることも多いです。

釣りで狙って釣れるものではなく、網にかかることも稀です。

前述の通りオニヒトデの駆除役として貴重な存在であるため、食用や観賞用として持ち帰る際は、その地域の漁業調整規則やマナーを十分に確認する必要があります。

保護地区では採捕が厳しく罰せられることがあります。

食材としての評価

市場に食用として流通することは滅多にありませんが、味は非常に良いです。

身は筋肉質で非常に硬く、アワビやサザエをさらに強靭にしたような食感があります。

噛み締めると強い甘みと磯の香りが溢れ出し、貝好きにはたまらない味わいです。

肝も濃厚な旨味を持っています。

殻はきれいに洗って磨けば美しい置物や楽器になるため、食べた後も無駄になりません。

オニヒトデを食べているため毒性を心配されることがありますが、通常筋肉部分に毒は蓄積されないとされています。

ただし唾液腺にはテトラミンなどの毒素が含まれる可能性があるため、調理の際は必ず除去します。

ホラガイの料理

硬い身を薄く切って食感を楽しむ料理が適しています。

刺身

ホラガイの最も贅沢な食べ方です。

殻をハンマーで割るか、身をフックで引き出して取り出します。

唾液腺と内臓を取り除き、塩で揉んでヌメリと汚れを落とします。

身はそのままでは硬すぎて噛み切れないことがあるため、できるだけ薄くスライスします。

コリコリとした強い弾力と濃厚な甘みは、高級貝に引けを取りません。

酢の物

薄切りにした身を軽く湯通しして、キュウリやワカメと一緒に三杯酢で和えます。

湯通しすることで少し身が柔らかくなり、甘みも増します。

さっぱりとした味わいの中で、ホラガイの存在感が際立ちます。

バターソテー

スライスした身をバターとニンニクで炒めます。

火を通しすぎるとゴムのように硬くなるので、サッと手早く炒めるのがコツです。

エスカルゴのような濃厚な風味を楽しめます。

まとめ

ホラガイは勇壮な音色で歴史を彩り、海底では毒棘を持つオニヒトデと戦ってサンゴを守る、まさに海の英雄のような巻貝です。その殻の美しさと身の美味しさは魅力的ですが、豊かな海を維持するために無くてはならない存在でもあります。もし海で出会ったとしても、食べるためだけに獲るのではなく、サンゴ礁の番人としての働きに敬意を払い、静かに見守ることもまた釣り人やダイバーの粋な計らいと言えるでしょう。

ホラガイに関するよくある質問

毒はありますか

オニヒトデを食べるため毒があると思われがちですが、身(筋肉)に毒はありません。

しかし巻貝特有の唾液腺には毒素が含まれる場合があるため、調理の際は必ず唾液腺を取り除きます。

また内臓(ウロ)に関しては、食べたヒトデのサポニンや毒素が残留しているリスクを考慮し、食べずに廃棄するのが最も安全です。

どうやって楽器にするのですか

殻の先端(尖っている部分)を金ノコギリなどで数センチメートル切り落とします。

中の螺旋構造の一部をドリルや錐で削って空気が通るようにし、断面を研磨して直接口を当てるか、市販のマウスピース(吹き口)を装着します。

きれいに音を出すにはトランペット同様に唇を振動させる練習が必要です。

販売されていますか

食用としてスーパーに並ぶことはまずありません。

沖縄などの鮮魚店や海産物店で稀に見かける程度です。

一方で加工された法螺貝(楽器や置物)は、神具店やインターネット通販で数万円から数十万円の高値で取引されています。

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この記事を書いた人

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