ギンザメ

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機械的で美しい銀色のボディにウサギのような愛らしい顔つきそして背中には危険な毒針を持つギンザメ。名前にサメと付いていますが一般的なサメの仲間ではなく約4億年前からほとんど姿を変えずに深海で生き続けている生きた化石とも言える魚です。釣り人の間では中深海釣りの外道として知られており釣り上げると大きな胸ビレを羽ばたかせて海面を泳ぐ姿が幻想的ですが取り込みの際には背ビレの毒針に細心の注意を払う必要があります。市場に出回ることは稀で主に練り製品の原料として使われますが新鮮なものは刺身や煮付けで非常に美味しく食べることができます。サメとエイの中間的な特徴を持つ不思議な生態や取り扱いの注意点そして知られざるその味わいについて解説します。

項目内容
分類ギンザメ目ギンザメ科ギンザメ属
標準和名ギンザメ
漢字銀鮫
別名ウサギザメ、ラットフィッシュ(英名の訳)
学名Chimaera phantasma
英名Silver chimaera / Rat fish
季節秋から春
生息域北海道以南、水深100メートルから500メートルの深海
目次

ギンザメとは

ギンザメは世界中の深海に生息する軟骨魚類の一種です。

サメやエイと同じ軟骨魚綱に属していますが板鰓亜綱(サメ・エイ類)ではなく全頭亜綱という独立したグループに分類されます。

これは恐竜が登場するよりもはるか昔から独自の進化を遂げてきた古代魚の末裔であることを意味しています。

水深数百メートルの海底付近をゆっくりと泳ぎ回り貝や甲殻類などの硬い殻を持つ獲物を丈夫な歯で噛み砕いて捕食しています。

学名のキメラ(Chimaera)はギリシャ神話に登場する合成獣に由来しておりその奇妙な姿が当時の人々に様々な動物を繋ぎ合わせた怪物のように見えたことから名付けられました。

ギンザメの特徴

体長は1メートルほどになります。

体色は金属的な光沢のある銀白色で死後時間が経つと褐色に変化します。

最大の特徴は背ビレの直前にある長く鋭い棘です。

この棘には毒腺があり刺さると激しい痛みを伴うため絶対に素手で触れてはいけません。

顔つきはウサギやネズミに似ており口は小さく吻(鼻先)は丸みを帯びています。

胸ビレは非常に大きくまるで鳥の翼のように広げて水中を滑空するように泳ぎます。

またオスには額の中央に鍵のような形をした鉤状器(こうじょうき)と呼ばれる突起がありこれは交尾の際にメスを固定するために使われると考えられています。

サメとの決定的な違い

名前にサメと付きますが生物学的にはサメとは明確な違いがあります。

最も分かりやすい違いはエラ穴の数です。

一般的なサメはエラ穴が5対から7対ありますがギンザメのエラ穴は左右に1対しかなくエラブタのような膜で覆われています。

またサメにある総排出腔(排泄と生殖を兼ねた穴)がなく肛門と生殖口が分かれている点も異なります。

さらに歯は生え変わることがなく硬い板状の歯が顎と一体化しています。

ギンザメの釣り方

ギンザメを専門に狙う遊漁船はほぼありませんがアカムツやキンメダイを狙う中深海釣りでゲストとして釣れることがあります。

ポイントとシーズン

水深200メートルから400メートル前後の砂泥底が主なポイントです。

特定のシーズンというよりも深海釣りのシーズンである秋から春にかけてよく顔を見せます。

海底付近を回遊しているため底を狙う仕掛けに食ってきます。

タックルと仕掛け

中深海ジギングや胴突き仕掛けで狙います。

アカムツ用などのスロージギングタックルや深場用の電動リールタックルを使用します。

メタルジグやサバの切り身イカの短冊などに反応します。

引きはそれほど強くありませんが重量感がありリールを巻いている最中にいやいやをするような独特の抵抗を見せます。

取り込みの注意点

釣り上げた際の取り扱いは慎重さが求められます。

背ビレの毒針は非常に硬く鋭利なため暴れた拍子に足や手に刺さる事故が起きやすいです。

フィッシュグリップで口を掴むか厚手のグローブをして針を外してください。

毒針をニッパーなどで切断してからクーラーボックスに入れるのが安全です。

食材としての評価

見た目の奇抜さと鮮度落ちの早さから市場価値はそれほど高くありません。

多くはカマボコやちくわなどの練り製品の原料として加工されます。

しかし釣り人の特権として新鮮なギンザメを持ち帰ることができればその味は高級魚にも引けを取りません。

白身で脂が乗っておりクセのない上品な味わいを楽しめます。

ただし軟骨魚類特有のアンモニア臭が出やすいため釣れたらすぐに血抜きをし内臓を取り除くなどの適切な処理が必要です。

ギンザメの料理

骨が軟骨であるため包丁で簡単に切ることができます。小骨を気にせず食べられるのも魅力です。

刺身

鮮度抜群のギンザメは刺身で食べられます。

白濁した身は柔らかくモチモチとした食感があります。

脂が乗っている個体は甘みが強くわさび醤油やポン酢で食べると美味です。

肝臓(キモ)も濃厚で美味しいですが脂が強すぎる場合があるため生食は鮮度が命です。

煮付け

ギンザメの定番料理です。

水分が多めの身ですが煮付けるとフワフワになり煮汁をよく吸います。

軟骨も柔らかくなるのでコリコリとした食感を楽しみながら一緒に食べられます。

濃いめの味付けにするとご飯によく合います。

フライ・唐揚げ

淡白な白身は油との相性が抜群です。

フライにすると外はサクサク中はジューシーな仕上がりになりフィッシュアンドチップスのような味わいになります。

冷めても硬くならないのでお弁当にも向いています。

まとめ

ギンザメは銀色の鎧をまとった深海の古代魚です。その美しい姿には毒針という危険な武器が隠されており釣り人を魅了すると同時に緊張感を与えます。サメであってサメではないこの不思議な魚は練り物の材料という地味な役回りを演じることが多いですが釣りたての刺身や煮付けは知る人ぞ知る絶品です。もし深海の釣りでこの銀色の翼を持つ魚に出会ったら毒針に気をつけながら太古のロマンと深海の味を堪能してみてください。

ギンザメに関するよくある質問

毒針に刺されたらどうなりますか

背ビレの棘に刺さると激しい痛みと腫れが生じます。

毒性はそれほど強くないとされていますが数時間は痛みが続くことがあります。

刺された場合は患部をお湯(40度から45度程度)に浸けると毒のタンパク質が分解され痛みが和らぐと言われています。

痛みがひかない場合は医師の診断を受けてください。

歯はどうなっていますか

サメのような鋭い歯が並んでいるのではなく硬い板状の歯(歯板)が上下の顎にセットされています。

これは貝殻や甲殻類を噛み砕くことに特化した形状であり非常に強力な顎の力を持っています。

釣り針を外す際に指を噛まれると大怪我をする恐れがあるため口元にも注意が必要です。

オスの額にある突起は何ですか

鉤状器(こうじょうき)と呼ばれる器官です。

先端に小さな棘がついており出し入れが可能です。

これは交尾の際にメスの胸ビレなどを挟んで体を固定するために使われると考えられています。

見た目がユニークで突起がある方がオスない方がメスと簡単に見分けることができます。

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この記事を書いた人

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