アミモンガラ

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南の海から黒潮に乗ってやってくる、全身が「網目模様(アミ目)」あるいは「星空」のような白い斑点で覆われた魚、アミモンガラ。カワハギの仲間ですが、その皮の硬さは尋常ではなく、包丁の刃が立たないほど頑丈な「鎧」をまとっています。海面をプカプカと横になって漂う奇妙な習性があり、流れ藻や流木、時には軽石などに集団で付くことから、釣り人よりも、沖合で操業する漁師やダイバーによく知られた存在です。網ですくえてしまうほど無防備なこともありますが、中身は鶏肉のように締まった極上の白身を持っています。その頑丈すぎる皮の攻略法や、宇宙のような見た目の特徴、そして意外なほどの美味について解説します。

項目内容
分類フグ目モンガラカワハギ科アミモンガラ属
標準和名アミモンガラ
漢字網紋殻
別名チュウタロウ、コンベ、アミハギ
学名Canthidermis maculata
英名Rough triggerfish / Spotted oceanic triggerfish
季節秋から冬(死滅回遊魚として流れてくる)
生息域北海道以南、世界中の温帯・熱帯海域の表層
目次

アミモンガラとは

アミモンガラは、世界中の暖かい海に生息するモンガラカワハギの一種です。

通常、モンガラカワハギ科の魚はサンゴ礁や岩礁に定着しますが、このアミモンガラは外洋の表層を回遊するという珍しい生態を持っています。

特に幼魚や若魚は、流れ藻や流木などの漂流物に寄り添って生活する習性が強く、黒潮に乗って日本各地の沿岸に流れ着きます。

海面で体を横にして、死んだようにプカプカと浮いていることがよくあり、初めて見た人は「弱っているのか?」と勘違いしますが、これは彼らの通常運転(擬態や休息)です。

冬の寒さには弱く、水温が下がると死んでしまう「死滅回遊魚」の一つでもあります。

アミモンガラの特徴と「鎧の肌」

【星空のような模様】

体色は濃い紺色や黒褐色で、そこに無数の白い斑点が散らばっています。

この模様が網目に見えることから「網紋(アミモン)」と名付けられましたが、暗い体色に白い点が輝く様子は、まるでプラネタリウムのようでもあります。

成長すると斑点は薄れ、全体的に黒っぽくなります。

【最強クラスの硬い皮】

最大の特徴は、サメ肌以上にザラザラで、かつカチカチに硬い皮です。

通常のウロコとは異なり、骨質の板が敷き詰められたような構造をしており、普通の出刃包丁では刃が滑ってしまい、捌くのが非常に困難です。

「調理バサミ」が必須アイテムと言われる所以です。

アミモンガラの捕まえ方

狙って釣るというよりは、漂流物の近くで偶然出会うことが多い魚です。

ポイントとシーズン

夏から秋にかけて、沖堤防や潮通しの良い港湾部に、流れ藻などと一緒に回遊してきます。

海面にゴミや木が浮いていたら、その下や周りをよく観察すると、黒い魚影が見えることがあります。

捕獲のコツ

釣り:オキアミなどを餌にすれば釣れますが、口が小さくて硬く、エサ取りが上手いため、カワハギ用の小さな針が必要です。引きは意外と強く、横走りします。

タモ網:海面でプカプカ浮いている個体は、警戒心が薄いことが多く、タモ網でそっとすくうだけで捕獲できることがあります。これが一番簡単な「漁法」です。

食材としての評価

「皮を剥ぐのが大変すぎる」という点を除けば、味は非常に優秀です。

身は透明感のある美しい白身で、血合いが鮮やかな赤色をしています。

フグやカワハギに近い肉質ですが、それらよりも筋肉質で弾力が強く、「鶏肉(ササミ)」に例えられる食感を持っています。

クセや臭みは全くなく、脂が少なくても旨味が強いため、どのような料理にも合います。

肝も入っていますが、カワハギほどの濃厚さはなく、あっさりとしています。

毒について

フグ目ですがテトロドトキシン(フグ毒)はありません。ただし、南方のサンゴ礁域の個体にはシガテラ毒のリスクが稀にあるとされるため、熱帯域で獲れた大型個体の内臓などは避けた方が無難です(本州に回遊してくる個体は基本的に安全とされています)。

アミモンガラの料理

調理の第一関門は「皮剥ぎ」です。ここさえクリアすればご馳走が待っています。

捌き方のコツ:包丁ではなく、キッチンバサミを使います。肛門や口からハサミを入れ、皮を切るようにして剥がしていくのが正解です。

唐揚げ・フライ

最もおすすめの食べ方です。

身に弾力があるので、唐揚げにすると「鶏の唐揚げ」と錯覚するほどの食感と旨味を楽しめます。

骨離れも良く、冷めても美味しいのでお弁当にも向いています。

刺身

新鮮なものは刺身でも絶品です。

薄造りにすると、フグ刺しのようなコリコリとした歯ごたえと、上品な甘みを味わえます。

肝醤油で食べても美味しいですが、肝は一度湯通しした方が安全です。

鍋・煮付け

良い出汁が出るので、鍋料理にも最適です。

煮込んでも身が崩れず、プリプリとした食感が残ります。

皮を剥いた状態でぶつ切りにし、「ちり鍋」や「水炊き」にすると最高です。

まとめ

アミモンガラは、宇宙のような模様と、鋼鉄のような皮を持つ、旅するカワハギです。海面でやる気なさそうに浮いている姿を見つけたら、それは美味しい食材が流れてきた合図です。タモ網で救出して、ハサミでその鎧をこじ開ければ、鶏肉にも負けない弾力のある白身があなたを待っています。

アミモンガラに関するよくある質問

浮いているのは病気ですか

いいえ、多くの場合正常です。

アミモンガラは体を横にして海面を漂う習性があります。

これは漂流物に擬態している、あるいは単に休息していると考えられています。

ただし、冬場に水温が低下して仮死状態になっている場合もあります(その場合も鮮度が良ければ食べられます)。

モンガラカワハギとは違いますか

はい、違います。

派手な幾何学模様を持つ「モンガラカワハギ(本種)」はサンゴ礁に住む鑑賞魚で、気性が荒いことで有名です。

アミモンガラは同じ科ですが、外洋を回遊する性質や、網目模様の見た目が異なります。

味に関しては、アミモンガラの方がクセがなく食べやすいと言われています。

皮は食べられますか

皮は硬すぎて食べられません。

鱗と皮が一体化した骨の板のようなものなので、加熱しても柔らかくならず、口に残ります。

必ず綺麗に剥がしてから調理してください。

剥いだ皮は、乾燥させれば「紙やすり」として使えるほどザラザラです。

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この記事を書いた人

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