アカメフグ

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ウサギのように赤く充血したような美しい目を持つことからその名が付けられたアカメフグ。東京湾の冬の風物詩として知られ、釣り人の間では「彼岸フグ(ヒガンフグ)」と混同されることもありますが、標準和名のアカメフグは全く別の種類のフグです。最大の特徴は、トラフグのような体表の棘(トゲ)が全くなく、ツルツルとしていること。そして、釣りたては身がゴムのように硬すぎて噛み切れないため、冷蔵庫で一週間ほど寝かせて(熟成させて)から食べるのが常識とされている点です。熟成された身は飴色に輝き、トラフグをも凌駕すると言われるほどの濃厚な甘みと旨味を醸し出します。愛らしい赤い目の秘密や、独特の「カットウ釣り」での狙い方、そして熟成が生み出す至高の味わいについて解説します。

項目内容
分類フグ目フグ科トラフグ属
標準和名アカメフグ
漢字赤目河豚
別名アカメ(通称)※地方によってはヒガンフグを指すことも
学名Takifugu chrysops
英名Red-eyed puffer
季節冬から春
生息域関東以南の太平洋側、特に東京湾に多い
目次

アカメフグとは

アカメフグは、主に関東以南の太平洋側沿岸に生息するフグの一種で、特に東京湾での魚影が濃いことで知られています。

トラフグ属に分類されますが、トラフグやショウサイフグとは異なり、背中や腹に棘(トゲ)が一切なく、皮が滑らかなのが特徴です。

市場での流通量はそれほど多くなく、トラフグの代用品あるいは「隠れた高級フグ」として専門料理店で扱われることが多いです。

毒性は、肝臓と卵巣は「猛毒」ですが、筋肉(身)、皮、精巣(白子)は「無毒(可食)」とされています(※厚生労働省の処理基準による)。

ただし、素人調理は絶対厳禁であり、必ずフグ調理師免許を持つプロに捌いてもらう必要があります。

アカメフグの特徴

体長は30センチメートル前後になります。

名前の由来通り、**目が鮮やかな赤色(オレンジ色)をしており、ヒレも赤みを帯びています。 体色は赤褐色や茶褐色で、背中の縁に黄色いラインが入ることがあるのも特徴です。 最大の特徴は「棘がない」**ことです。

トラフグやクサフグは皮にザラザラした棘がありますが、アカメフグの皮は厚くて丈夫ですがツルッとしています。

この皮も湯引きなどにすると非常に美味です。

また、身質がフグ類の中で最も硬いと言われており、死後硬直するとスーパーボールのような弾力になります。

「ヒガンフグ」との混同に注意

釣り場や地方によっては、近縁種のヒガンフグを「アカメ」と呼ぶことがありますが、これは非常に危険な混同です。

標準和名アカメフグは「皮が食べられる」のに対し、ヒガンフグは「皮に強毒」があり絶対に食べてはいけません

見分け方は、ヒガンフグには背中や体側に黒い斑点が多く散らばっていますが、アカメフグには目立つ黒い斑点がありません。

また、ヒガンフグの目はそこまで赤くありません。

アカメフグの釣り方(湾フグ・カットウ釣り)

東京湾では「湾フグ」釣りの人気ターゲットです。繊細なアタリを掛けるゲーム性の高さが魅力です。

ポイントとシーズン

東京湾内の砂地や岩礁帯周りがポイントです。

シーズンは秋から春にかけてですが、特に「冬の彼岸」頃までが大型が釣れやすく、身も充実して美味しい時期です。

タックルと仕掛け

9:1調子や8:2調子の、穂先が非常に繊細なフグ専用竿(湾フグ竿)を使用します。

リールは小型両軸リールにPEライン0.8号前後。

仕掛けは「カットウ仕掛け」と呼ばれる特殊なものです。

エサ(アオヤギやエビ)を付ける親針の下に、魚を引っ掛けるための掛け針(カットウ針)が付いています。

釣り方のコツ

オモリを底に着け、時々小さく跳ね上げて誘います。

アカメフグのアタリは非常に小さく、「チクッ」とか「モタッ」とする程度です。

その違和感を感じたら即座に竿をシャープに合わせて、掛け針でフグの体を貫通させます。

ショウサイフグに比べて海底の岩場や根周りを好むため、根掛かりに注意が必要です。

食材としての評価

「熟成させるとトラフグより美味い」と評する釣り人も多い、食通好みのフグです。

釣りたての身は弾力が強すぎて、薄造りにしても噛み切れないほどですが、これを冷蔵庫で寝かせることで劇的に変化します。

旨味成分(イノシン酸など)が増し、身が柔らかくなって程よい歯ごたえになります。

価格はトラフグよりは安いですが、ショウサイフグよりは高値で取引される高級魚です。

アカメフグの料理

※重要:調理は必ずフグ調理師免許を持つ専門家(船宿や鮮魚店)に依頼してください。

刺身(熟成薄造り)

アカメフグの真骨頂です。

最低でも5日、できれば1週間ほど冷蔵庫でキッチンペーパーを取り替えながら熟成させます。

身が透明から美しい飴色に変わり、甘みが凝縮されます。

熟成された身はモチモチとしており、ポン酢で食べると濃厚な旨味が口いっぱいに広がります。

フグ鍋(ちり鍋)

骨付きのアラから極上の出汁が出ます。

身は加熱してもプリプリとした弾力を保ち、鶏肉のような食べ応えがあります。

野菜と一緒に煮込み、最後に雑炊にすると、アカメフグの旨味を余すことなく堪能できます。

唐揚げ

筋肉質な身は唐揚げに最適です。

醤油、酒、生姜で下味をつけて揚げると、ジューシーで力強い味わいになります。

骨周りの身が特に美味しいです。

皮の湯引き

棘がないアカメフグならではの珍味です。

厚い皮を細切りにして湯通しし、氷水で締めてポン酢で和えます。

コリコリ、クニュクニュとした独特の食感は、コラーゲンの塊です。

まとめ

アカメフグは、赤い目とツルツルの肌を持つ、東京湾の冬の宝石です。その身は「硬すぎる」という欠点を、時間をかける(熟成させる)ことで「最高の長所」に変える魔法のような食材です。釣り人が寒風の中で繊細なアタリに集中するのは、一週間後に待っているその飴色の刺身のためと言っても過言ではありません。もしこの赤い目のフグを手に入れる機会があれば、すぐには食べず、じっくりと寝かせてその真価を味わってみてください。

アカメフグに関するよくある質問

自分で捌いてもいいですか

絶対にやめてください。

アカメフグの肝臓と卵巣には猛毒(テトロドトキシン)が含まれており、誤って食べると死に至る危険性があります。

また、ヒガンフグなどの有毒種と見分けるのも素人には困難な場合があります。

釣り船では下船後に船宿のスタッフ(免許所持者)が身欠き(有毒部位を取り除く処理)をしてくれますので、必ずそれに従ってください。

何日くらい熟成させればいいですか

個体の大きさにもよりますが、5日から7日間が目安です。

釣りたて当日は硬すぎて旨味も少ないです。

キッチンペーパーで身を包み、さらにラップをして冷蔵庫(チルド室)に入れ、毎日ペーパーを交換することで余分な水分を取り除きながら熟成させます。

身が少し柔らかくなり、飴色になってきたら食べ頃です。

棘がないなら皮もそのまま食べられますか

生のままでは硬すぎて食べられません。

皮には毒はないとされていますが(※標準和名アカメフグの場合)、非常に硬いため、湯引き(熱湯に通す)をしてゼラチン質を柔らかくしてから食べるのが一般的です。

※ヒガンフグ(通称アカメ)の場合は皮に毒があるため、皮は絶対に食べてはいけません。種の同定はプロに任せてください。

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この記事を書いた人

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