アカマツカサ

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夜の海に潜ると、岩陰や洞窟の中で大きな目をクリクリとさせた真っ赤な魚たちが群れているのを見かけることがあります。それがアカマツカサです。昼間は恥ずかしがり屋のように隠れていますが、夜になると活発に泳ぎ回る夜行性の魚です。その体は「松ぼっくり(松毬)」に例えられるほど大きく硬い鱗で覆われており、調理しようとする料理人を泣かせるほどの頑丈な鎧をまとっています。しかし、その鎧の下には、見た目からは想像もつかないほど脂の乗った極上の白身が隠されています。キンメダイにも似た赤い魚体と、鎧のような鱗の特徴、そして苦労してでも食べる価値のあるその味わいについて解説します。

項目内容
分類キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属
標準和名アカマツカサ
漢字赤松毬
別名ヨロイダイ、ウルメ(沖縄)、セーグヮー(沖縄)
学名Myripristis botche
英名Blacktip soldierfish / Soldierfish
季節通年(冬から春が美味しいとされる)
生息域本州中部以南、インド・太平洋のサンゴ礁や岩礁帯
目次

アカマツカサとは

アカマツカサは、暖かい海の浅い岩場やサンゴ礁に生息するイットウダイ科の魚です。

鮮やかな赤色の体と、夜行性特有の非常に大きな目が特徴です。

昼間は岩の隙間やオーバーハング(岩庇)の下、洞窟の中などに群れで潜んでおり、ダイビングではライトで照らすと赤く輝く姿がよく観察されます。

名前の「アカマツカサ」は、体が赤く、鱗が大きくて硬く重なり合っている様子が「松ぼっくり(松毬=まつかさ)」のように見えることに由来します。

沖縄では「ウルメ」や「セーグヮー」と呼ばれ、県民魚であるグルクンなどと一緒に唐揚げや煮付けで食べられる一般的な惣菜魚です。

市場に出回ることは少ないですが、釣り人の間では夜釣りの外道として知られています。

特徴とイットウダイとの違い

【鉄壁の防御(硬い鱗)】

最大の特徴はその鱗の硬さです。

包丁の刃が立たないほど硬く、一枚一枚が大きくてしっかりと体に食い込んでいるため、普通のウロコ取りで落とそうとすると苦労します。

まさに鎧を着た魚と言えるでしょう。

【イットウダイ(カノコウオ)との違い】

よく似た仲間に「イットウダイ(別名カノコウオ)」などがいますが、以下の点で見分けられます。

  • エラ蓋の棘:イットウダイの仲間にはエラ蓋に鋭く長い毒針のような棘がありますが、アカマツカサには目立つ棘がありません(あるいは非常に小さいです)。
  • 体色:イットウダイは赤地に白い縦縞模様がはっきりしていますが、アカマツカサは全体的に赤っぽく、ヒレの先端が黒くなる個体が多いです。

アカマツカサの釣り方

狙って釣るというよりは、夜釣りで他の魚を狙っている時に釣れることが多い魚です。

ポイントとシーズン

潮通しの良い堤防の際や、テトラポットの穴、磯場の岩陰などがポイントです。

昼間は岩の奥にいるため釣りにくいですが、夜になるとエサを求めて出てくるため、夜釣りのターゲットとなります。

釣り方のコツ

オキアミや魚の切り身をエサにしたウキ釣りや、胴突き仕掛けで釣れます。

目が良いため、夜でもエサを見つけて果敢にアタックしてきます。

群れで行動しているため、一匹釣れると連続して釣れることが多いです。

口が大きく、一度掛かるとバレにくいですが、鋭い背ビレや硬い鱗で怪我をしないように注意が必要です。

食材としての評価

市場での評価は低い(鱗の処理が面倒なため)ですが、食べてみると非常に美味しい魚です。

キンメダイに近い仲間だけあって、身はきれいな白身で、皮下には良質な脂をたっぷりと蓄えています。

クセや臭みは全くなく、焼けば脂が滴り、煮れば煮汁が濃厚になるほどです。

「鱗さえなければ最高の魚」と評されることもあり、手間をかける価値は十分にあります。

アカマツカサの料理

硬い鱗との戦いを制すれば、ご馳走が待っています。

煮付け

アカマツカサの定番料理です。

脂の乗った身は加熱してもパサつかず、ふっくらとしています。

煮汁と一緒に食べると、口の中で脂の甘みが広がり、ご飯が進みます。

沖縄ではマース煮(塩煮)にして、魚本来の旨味を楽しむことも多いです。

塩焼き

鱗を引いて塩焼きにすると、皮目の脂が焼けて香ばしい香りが漂います。

身離れが良く、ジューシーな白身を堪能できます。

ただし、鱗が残っていると口当たりが非常に悪いので、完全に除去することが重要です。

唐揚げ・素揚げ

鱗の処理が面倒な場合や、小型の個体は、鱗を付けたまま揚げてしまうという荒技もあります。

高温でじっくり揚げると鱗が逆立ち、松ぼっくりのような見た目になりますが、パリパリとした食感になり、そのまま食べることができます(ただし、かなりじっくり揚げる必要があります)。

基本的には鱗を取ってから揚げた方が食べやすく美味しいです。

汁物(味噌汁)

非常に良い出汁が出るため、ぶつ切りにして味噌汁にするのもおすすめです。

脂が浮いた濃厚な汁は、磯の香りと相まって絶品です。

アカマツカサの捌き方(鱗の落とし方)

この魚を美味しく食べるための最大の難関は鱗取りです。

  • ウロコ取りを使う:普通のウロコ取りでは力がいるため、金属製の頑丈なものを使い、尾の方から頭に向かって力を入れてこそげ落とします。
  • 包丁で すき引き:鱗が硬すぎるため、プロは柳刃包丁などで鱗ごと皮を薄く削ぎ落とす「すき引き」を行うこともあります。ただし、皮の下の脂や旨味も一緒に取れてしまうのが難点です。
  • 飛び散り防止:鱗が大きく飛び散りやすいため、大きなビニール袋の中で作業するか、水を張った桶の中で行うとキッチンが汚れません。

まとめ

アカマツカサは、夜の海で赤く輝く、鎧をまとった美味しい魚です。その名前の通り松ぼっくりのような硬い鱗は料理人を悩ませますが、その下にはキンメダイにも匹敵する脂の乗った白身が隠されています。もし釣り場でこの目が大きな赤い魚に出会ったら、鱗取りの苦労を覚悟の上で持ち帰ってみてください。煮付けを一口食べれば、その苦労が報われるだけの味が待っています。

アカマツカサに関するよくある質問

キンメダイとは違いますか

はい、違います。

どちらも赤くて目が大きいので似ていますが、キンメダイは深海魚(水深200m以深)で、アカマツカサは比較的浅い岩礁帯(水深数m〜数十m)に生息しています。

分類上は近い仲間(同じキンメダイ目)ですが、市場価値や味の繊細さはキンメダイの方が上とされます。

しかし、アカマツカサも脂乗りでは負けていない個体が多いです。

棘に毒はありますか

アカマツカサ自体には毒のある棘はありません。

しかし、背ビレや腹ビレの棘は非常に鋭く太いため、刺さると深く傷つき、雑菌が入って腫れることがあります。

また、近縁のイットウダイ類にはエラ蓋に毒はありませんが鋭い棘があるので、似た魚を扱う際は注意が必要です。

刺身で食べられますか

鮮度が良ければ刺身でも食べられます。

脂が乗っていて甘みがあり、非常に美味です。

皮に旨味があるので、鱗をきれいに取り除いた後、皮をバーナーで炙る「焼き霜造り」にすると、皮の硬さも気にならず、香ばしさも加わって絶品です。

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この記事を書いた人

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