セミホウボウ

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海の中で大きく美しい「翼」を広げ、海底を這うように歩く不思議な魚、それがセミホウボウです。一見すると高級魚の「ホウボウ」に似ていますが、頭が非常に硬い骨の鎧(ヘルメット)で覆われている点や、セミ(蝉)のように鳴くことからこの名が付けられました。釣り人の間では、その奇抜な見た目と硬い体からリリースされることが多い「珍魚」扱いですが、実は見た目に反して非常に美味しい白身を持っており、観賞魚としてもダイバーやアクアリストに愛されるアイドル的な存在でもあります。

項目内容
分類カサゴ目セミホウボウ科セミホウボウ属
標準和名セミホウボウ
漢字蝉魴鮄
別名テツホウボウ(鉄のように硬いため)、ツノホウボウ
学名Dactyloptena orientalis
英名Oriental flying gurnard
季節秋から春
生息域本州中部以南、インド・太平洋の砂泥底
目次

セミホウボウとは

セミホウボウは、暖かい海の砂底に生息する底生魚です。

体長は30センチメートルから40センチメートルほどになります。

最大の特徴は、扇のように広がる巨大な胸ビレです。

普段は畳んでいますが、驚いたり威嚇したりする瞬間にパッと広げると、鮮やかな斑点模様が現れ、まるで海中の蝶や孔雀のような美しさを見せます。

また、ホウボウと同じように、腹ビレの一部が変化した**「足」のような器官を持っており、これを使って海底をチョコチョコと歩き回ってエサを探します。 名前の由来は、陸上に釣り上げると「グーグー」「ギチギチ」と鳴く音がセミ(蝉)の鳴き声**に似ていることや、硬い頭部がセミの頭部に似ていることから来ています。

ホウボウとの決定的な違い

よく似ている「ホウボウ」とは、分類上は別のグループ(科が違う)であり、以下の点で見分けることができます。

【1. 頭の硬さと棘】

  • ホウボウ:頭は角張っていますが、皮膚に覆われています。
  • セミホウボウ:頭部が**非常に硬い骨板(鎧)で覆われており、ゴツゴツしています。また、後頭部から2本の長い棘(トゲ)**が後ろに向かって伸びています。

【2. 胸ビレの大きさ】

  • ホウボウ:胸ビレは鮮やかな緑色で、赤い縁取りがあります。
  • セミホウボウ:胸ビレはさらに大きく、全体的に黒っぽい斑点や複雑な模様があります。英名で「Flying gurnard(空飛ぶホウボウ)」と呼ばれるほど立派です。

【3. 目の位置】

  • セミホウボウ:目が離れており、少しカエルのような顔つきをしています。

食材としての評価

市場にはめったに出回りません。

その理由は、数がまとまって獲れないことと、「さばくのが大変」だからです。 ウロコが非常に硬く、皮もしっかりしているため、包丁が入りにくいのです。 しかし、その装甲を突破すれば、中には極上の白身が詰まっています。

味はホウボウに似て、甘みが強く上品で、適度な脂乗りもあります。

知る人ぞ知る「未利用魚の傑作」の一つです。

セミホウボウの料理

硬いウロコと頭の処理さえクリアすれば、どんな料理にも合います。

唐揚げ

最もおすすめの食べ方です。

硬いウロコをすき引き(包丁で削ぎ取る)して、ぶつ切りにして揚げます。

じっくり揚げると、小骨やヒレまで香ばしく食べられます。

身はホクホクとして甘みがあり、鶏肉のような食感を楽しめます。

煮付け

ホウボウ科の魚と同じく、煮付けにすると良い出汁が出ます。

身離れが良く、プリッとした食感が楽しめます。

煮汁には濃厚な旨味が溶け出すので、ご飯にかけて食べると最高です。

刺身

新鮮な大型個体が手に入れば、刺身も可能です。

透明感のある白身は、歯ごたえがあり、噛むほどに甘みが広がります。

薄造りにしてポン酢で食べると、フグのような味わいになります。

塩焼き

カマ(頭の後ろの部分)や身を塩焼きにします。

焼くと脂が滲み出てきてジューシーです。

ただし、皮が硬いので、皮を剥がしながら食べるスタイルになります。

観賞魚としての人気

食べるだけでなく、水槽で飼うペットとしても人気があります。

大きな翼を広げて滑空するように泳ぐ姿や、底を足で歩くコミカルな動きは見ていて飽きません。

ダイバーの間でも、砂地で出会える可愛い被写体として愛されています。

まとめ

セミホウボウは、鉄の兜をかぶり、美しい翼を持つ、海の中の小さな騎士のような魚です。鳴き声がセミに似ているという風流な名前を持ちながら、その体は非常に頑丈で、調理する人を困らせるほどです。しかし、その苦労の先には、ホウボウにも負けない美味しい白身が待っています。もし釣りや直売所でこの不思議な魚に出会ったら、その美しい胸ビレを広げて観察し、ぜひ持ち帰って味わってみてください。

セミホウボウに関するよくある質問

本当に空を飛びますか?

いいえ、空は飛びません。

英名が「Flying gurnard」なのでトビウオのように飛ぶと思われがちですが、実際には大きなヒレを使って海底付近を滑空したり、外敵を驚かせたりするためにヒレを使います。

水面から飛び出すことはありません。

毒や危険な棘はありますか?

毒はありません。

しかし、頭の後ろにある**2本の長い棘(トゲ)**や、エラ蓋の棘、背ビレなどは非常に硬くて鋭いです。

素手で触ると怪我をするので、釣り上げた際や調理の際は十分に注意してください。

ウロコはどうやって取ればいいですか?

ウロコ引き(道具)では飛び散ってしまい、なかなか取れません。

包丁を使って**「すき引き」**(ウロコごと皮の表面を薄くスライスするように切り取る)にするか、金タワシで強くこする、あるいは皮ごと剥いでしまうのが一般的です。

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この記事を書いた人

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