ナヌカザメ

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釣り上げられると、海水をガブガブと飲み込み、まるでフグのようにプクゥーッと大きく膨らむユニークなサメ、ナヌカザメ。その膨らんだ腹をポンポンと叩くと、水風船のような音がします。名前の「ナヌカ(七日)」は、「陸に上げても七日間生き続けるほど生命力が強い」という伝説に由来しますが、実際にはそこまで長くは生きられません。見た目がゴツゴツとした岩のようで、色も地味なため、漁師さんからは「売り物にならない」と敬遠されがちですが、その愛嬌のある行動と、意外に美味しい白身から、一部の深海魚ファンには愛されています。水族館でもじっとしている姿がよく見られる、この「膨らむサメ」の正体や、名前の真偽、そしてアンモニア臭との戦いとなる料理について解説します。

項目内容
分類メジロザメ目トラザメ科ナヌカザメ属
標準和名ナヌカザメ
漢字七日鮫
別名ブカ、ミズワニ、フクレザメ
学名Cephaloscyllium umbratile
英名Blotchy swell shark
季節冬から春
生息域本州中部以南の水深90m〜200mの岩礁帯
目次

ナヌカザメとは

ナヌカザメは、日本の沿岸から深場にかけて生息する底生性のサメです。

性格は非常に大人しく、昼間は岩の隙間や海底でじっとしており、夜になるとエサを探して動き回ります。

最大で1メートルほどになりますが、人を襲うような獰猛さは全くありません。

最大の特徴は、危険を感じると胃の中に大量の海水(陸上では空気)を吸い込んで、体を2倍近くに膨らませることです。

これは岩の隙間で膨らんで引きずり出されないようにしたり、体を大きく見せて敵を威嚇したりするためと考えられています。

英名で「Swell shark(膨れるサメ)」と呼ばれるのもこのためです。

ナヌカザメの特徴と「七日伝説」

【フグのような防御】

釣り上げられると、カエルのように空気を吸い込んでお腹をパンパンに膨らませます。

この姿がユーモラスで、「フクレザメ」という別名でも呼ばれます。

水に戻すと、ゲップをするように「ゴボッ」と空気や水を吐き出して元に戻り、海底へと帰っていきます。

【名前の由来】

「水から出しても七日間生きる」と言われるほど生命力が強いことが由来とされています。

実際には、エラ呼吸ができなければ数時間で死んでしまいますが、他の魚に比べて極めて生命力が強く、湿った場所なら長時間生き延びることができるのは事実です。

このタフさが伝説を生んだと考えられます。

【猫のような目】

目は細長く、猫のような瞳孔を持っています。

体色は茶褐色で、黒っぽい斑紋や帯模様があり、海底の岩に擬態しています。

ナヌカザメの釣り方

狙って釣る人は稀ですが、中深海釣り(オニカサゴやアマダイ狙い)の外道としてよく掛かります。

ポイントとシーズン

水深100メートル前後の岩礁帯がポイントです。

底ベタ(海底付近)を狙っていると食ってきます。

釣り方のコツ

サバの切り身やイカ短冊などに食いつきます。

アタリは「モゾモゾ」とした鈍いものが多く、巻き上げ時は重いだけであまり引きません。

海面まで上がってきて空気を吸い込むと、さらに重くなります。

釣り上げた後は、針を外す際も大人しいですが、ヤスリ状の歯とザラザラの肌で怪我をしないように注意が必要です。

食材としての評価

市場価値はほとんどありませんが、決して食べられない魚ではありません。

【マイナス面】

サメ特有のアンモニア臭が強い個体が多く、鮮度が落ちると強烈な匂いを発します。

また、皮が「わさびおろし」のようにザラザラで硬いため、捌くのが大変です。

【プラス面】

新鮮なうちに適切な処理(血抜き・内臓処理)を行い、調理法を工夫すれば、フワフワとした上質な白身を楽しめます。

骨は軟骨なので、揚げればポリポリと食べられます。

肝臓(肝)は大きく、濃厚な旨味を持っています。

ナヌカザメの料理

アンモニア臭を消し、食感を活かす揚げ物が最適です。

唐揚げ・フライ

ナヌカザメのベストな調理法です。

ぶつ切りにした身を、醤油、酒、生姜、ニンニクに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げます。

濃い味付けとスパイスがサメのクセを消し、加熱することで身が鶏肉のようにふっくらと仕上がります。

「サメの唐揚げ」と言われなければ分からないほどの美味しさです。

湯引き(酢味噌和え)

鮮度が良い場合は湯引きも可能です。

一口大に切った身を熱湯に通し、すぐに氷水で冷やします。

これにより臭みが抜け、身が締まります。

たっぷりの酢味噌や辛子酢味噌で食べると、サメのモチモチとした食感を味わえます。

煮付け

生姜を多めに入れて、甘辛く煮付けます。

冷めると煮汁がゼリー状(煮こごり)になり、ご飯のお供になります。

皮のザラザラが気になる場合は、熱湯をかけてタワシでこすり落とすか、皮を剥いてから調理します。

まとめ

ナヌカザメは、七日間生きるという伝説と、フグのように膨らむ特技を持つ、深海の愛すべきキャラクターです。釣り上げるとプクプクと膨れて抵抗する姿には罪悪感を覚えるほどですが、もし持ち帰るなら、その強い生命力に敬意を表しつつ、しっかりと臭み対策をして美味しくいただきましょう。唐揚げにすれば、そのタフな体が意外なほど優しい味に変わることに驚くはずです。

ナヌカザメに関するよくある質問

本当に七日間生きるのですか

いいえ、陸上で七日間生き続けることは不可能です。

エラが乾いてしまえば呼吸ができずに死んでしまいます。

しかし、低温で湿度の高い環境であれば、他の魚よりも圧倒的に長く生存できるため、昔の人がそのしぶとさを誇張して「七日」と名付けたのでしょう。

噛まれたら危険ですか

歯は小さく細かいヤスリ状なので、大きな肉食魚のように肉を食いちぎられることはありません。

しかし、噛む力はあり、無理に手を引き抜こうとすると擦り傷(裂傷)になります。

また、皮膚自体も非常にザラザラしており、素手で触ると擦りむくことがあるので、軍手やフィッシュグリップを使うのが安全です。

膨らんだまま戻らなくなりませんか

海に帰せば、自分で空気を吐き出して潜っていきます。

船上で見ていると、しばらくプカプカ浮いていることがありますが、時間が経てば「プシュー」または「ゲボッ」と空気を吐いて元に戻ります。

お腹を優しく撫でてあげると、空気を吐きやすくなることもあります。

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この記事を書いた人

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