スケトウダラ

おにぎりの具として人気のタラコや明太子。その親である魚がスケトウダラです。またカニカマやちくわなどの練り製品の主原料としても世界中で利用されており私たちの食生活を陰で支える最も重要な魚の一つと言っても過言ではありません。マダラに比べて細身で安価なイメージがありますが鮮度の良いものは刺身でも美味しく冬の鍋料理には欠かせない存在です。漢字で介党鱈と書くように群れで行動するこの魚の生態やマダラとの見分け方そして余すことなく楽しめる利用法について解説します。
| 項目 | 内容 |
| 分類 | タラ目タラ科スケトウダラ属 |
| 標準和名 | スケトウダラ |
| 漢字 | 介党鱈、鯳 |
| 別名 | スケソウダラ、スケソ、メンタイ(朝鮮語由来) |
| 学名 | Gadus chalcogrammus |
| 英名 | Alaska pollock / Walleye pollock |
| 季節 | 冬(11月から3月) |
| 生息域 | 北太平洋全域(日本海、オホーツク海、ベーリング海) |
スケトウダラとは
スケトウダラは北太平洋の寒冷海域に生息するタラ科の魚です。
一般的にはスケソウダラ(スケソ)と呼ばれることが多くスーパーなどでもこの名で並ぶことが一般的です。
マダラよりも小型で漁獲量が非常に多いため世界的に重要な水産資源となっています。特にすり身としての加工適性が高く冷凍すり身の技術が開発されてからはカマボコやフィッシュバーガーのパティとして世界規模で消費されています。
またその卵巣(魚卵)は塩漬けにしてタラコに唐辛子で味付けして明太子にと日本の食卓にはなくてはならない加工品へと生まれ変わります。
スケトウダラの特徴
体長は平均して40センチメートルから60センチメートル最大で80センチメートルほどになります。マダラが1メートルを超えるのに比べると一回り小型で細身の体型をしています。
マダラとの最大の見分け方は口の形状です。マダラは上顎が前に出ていますがスケトウダラは下顎が上顎よりも前に突き出ています(受け口)。またスケトウダラの下顎のヒゲは非常に短くほとんど目立ちません(マダラは立派なヒゲがあります)。
目は大きく背ビレは3つ尻ビレは2つに分かれています。体色は背中が褐色で不規則な暗色の縦帯模様が入っています。
スケトウダラの生態とライフサイクル
食性は肉食性です。オキアミ類やヨコエビなどの甲殻類を主食としていますが小魚やイカなども捕食します。
冷たい海を好み水温の低い深場を大群で回遊しています。
産卵期は冬から春にかけてです。この時期になると産卵のために浅場に接岸してきます。1匹のメスが数万から数十万粒の卵を放出します。寿命は15年程度とされていますが漁獲圧が高いため高齢魚は少なくなっています。
朝鮮半島ではメンタイ(明太)と呼ばれ明太子(メンタイの子)の語源となっています。
スケトウダラの分布と生息環境
北太平洋の広い範囲に分布しています。日本では北海道全域の沿岸から日本海側は山口県付近まで太平洋側は千葉県付近まで南下します。
水深50メートルから500メートル付近の中層から底層を群れで移動します。特にベーリング海やオホーツク海は世界有数の漁場となっています。
スケトウダラの釣り方
北海道や東北地方では冬の人気ターゲットとして親しまれています。マダラ釣りの外道として釣れることも多いですが専門に狙うと数釣りが楽しめます。
サビキ釣り・胴突き仕掛け
船からの釣りで最もポピュラーな方法です。
タラ専用のサビキ仕掛けや胴突き仕掛けを使用します。スケトウダラはマダラよりもやや上のタナ(中層から底層)を回遊していることが多いため底だけでなく少し上まで探るのがコツです。
餌にはサンマの切り身やイカの短冊赤く染めたイカ(赤タン)などを使います。群れに当たると全ての針に魚が掛かる鈴なり状態になり竿が満月のようにしなります。口が切れやすいため強引なやり取りは禁物です。
ジギング(タラジギング)
スロージギングやタラジギングでもよく釣れます。
マダラ狙いの重いジグ(300グラムから500グラム)に果敢にアタックしてきます。フォール中のバイトが多いためラインの動きに注意が必要です。マダラよりも引きは軽いですがライトタックルで狙うとスリリングなファイトを楽しめます。
北海道の太平洋側などでは陸(堤防)からルアーや投げ釣りで狙える場所もあります。
スケトウダラの料理
身は水分が多く傷みやすいため鮮魚として流通することは少ないですが加工品としては超一流です。釣りたてならではの料理も存在します。
タラコ・明太子(卵巣)
スケトウダラの最大の功績はこの魚卵にあります。
冬の産卵期のメスから取り出した卵巣(真子)を塩蔵熟成させたものがタラコ唐辛子液に漬け込んだものが明太子です。生の状態の卵は助子(すけこ)と呼ばれ煮付け(子和え)やしらたきと煮て食べるとプチプチとした食感が楽しめます。
白子(助白子)
オスの精巣は助白子(すけだち)と呼ばれます。マダラの白子(真白子)に比べると小ぶりでクリーミーさは控えめですがその分クセが少なく安価で手に入りやすいのが魅力です。
味噌汁の具にしたりさっと茹でてポン酢で食べたりすると美味です。天ぷらにしてもトロッとした食感を味わえます。
練り製品(すり身)
スケトウダラの身は白く弾力を形成する能力が高いためカマボコちくわカニ風味カマボコ(カニカマ)の原料として最適です。
家庭ですり身を作るのは手間ですがフードプロセッサーを使って自家製のさつま揚げやツミレを作ると市販品にはないフワフワ感を楽しめます。
鍋・干物(棒鱈)
鮮度の良いものは鍋料理(ちり鍋)にすると良い出汁が出ます。身はホロホロと崩れやすく淡白な味わいです。
乾燥させた干物は棒鱈(ぼうだら)として保存食になります。水で戻して甘辛く煮付けた棒鱈煮は関西地方のおせち料理や京都の芋棒(いもぼう)として有名です。
まとめ
スケトウダラは名前こそマダラの陰に隠れがちですがタラコやカマボコを通じて日本人の食生活に最も貢献している魚の一つです。世界中の海で群れをなし私たちの胃袋を満たしてくれるこの魚に感謝しつつ冬のスーパーで生のスケトウダラを見かけたらぜひ煮付けや鍋にしてその優しい味わいを再確認してみてください。
スケトウダラに関するよくある質問
マダラとどちらが美味しいですか
好みが分かれますが脂が乗って身がしっかりしているのはマダラです。スケトウダラは身が水っぽく淡白ですが加工適性は圧倒的に上です。卵(タラコ)に関してはスケトウダラの方が圧倒的に価値が高く白子に関してはマダラの方が濃厚で高級とされています。
アニサキスはいますか
はい非常に高い確率で寄生しています。特に内臓や腹身の周辺に多く見られます。生食(刺身)は釣りたてを適切に処理した場合に限られ一度冷凍するか目視で徹底的に除去する必要があります。基本的には加熱調理や加工して食べることをおすすめします。タラコも生食する場合は塩蔵や冷凍処理されたものを選んでください。
名前が似ているスケソウダラは別の魚ですか
全く同じ魚です。標準和名が「スケトウダラ」で一般名称や別名として「スケソウダラ(スケソ)」が広く定着しています。由来には佐渡島周辺で多く獲れたから(佐渡の古名=スク)や助っ人が必要なほど大漁だったからなど諸説あります。































