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【水産の基本】遠洋漁業とは?沖合・沿岸との違いや近年の課題を分かりやすく解説!

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【水産の基本】遠洋漁業とは?沖合・沿岸との違いや近年の課題を分かりやすく解説!

日本の食卓に欠かせないマグロやカツオ、イカなどの多くの魚は、遠く離れた世界の海から運ばれてきています。

これらを日本の港へ届けているのが「遠洋漁業」です。

しかし、名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような場所で、どんな方法で行われているのかを詳しく知っている方は少ないかもしれません。

本記事では、遠洋漁業の基本的な仕組みから、他の漁業との明確な違い、さらに近年抱えているリアルな課題までを詳しく紐解いていきます。

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目次

遠洋漁業とは?世界の海を舞台にする壮大な仕組み

遠洋漁業とは、日本の陸地から遠く離れた公海や、外国の排他的経済水域(EEZ)を主な漁場として行う大型の漁業のことです。操業するエリアは太平洋をはじめ、インド洋や大西洋など、まさに地球のすべての海が舞台となります。

一度港を出港すると、短い場合でも数ヶ月、長いケースでは1年半以上も日本に帰国しないまま航海を続けることが特徴です。獲れた魚は船内にある超低温の冷凍設備ですぐに凍結され、鮮度を最高な状態に保ったまま日本の市場へと運ばれていきます。

  • 主な漁場:世界の公海、諸外国の排他的経済水域(EEZ)
  • 代表的な魚種:マグロ、カツオ、イカ、カニなど

何が違う?「沿岸・沖合・遠洋」の分かりやすい比較

日本の海面漁業は、岸からの距離や使用する船の大きさによって「沿岸」「沖合」「遠洋」の3つに大きく分類されています。それぞれの違いを整理してみましょう。

沿岸漁業:身近な砂浜や堤防近くで行う日帰り漁

沿岸漁業は、日本の海岸からごく近い距離(おおむね12海里以内)で行われる最も身近な漁業です。使用される船は10トン未満の小型船や無動力船が中心で、基本的には朝に出港して夕方には港に戻る「日帰り」のスタイルが基本となります。

家族を中心とした個人経営が多く、地域の特産となるアジやサバ、貝類や海藻などを丁寧に収穫するのが特徴です。釣り人が堤防から見かける漁船の多くはこの沿岸漁業に該当します。

  • 活動エリア:海岸から約22km以内のごく近い海
  • 操業期間:その日のうちに帰港する日帰りが基本

沖合漁業:200海里以内の日本近海を守る水産業の主軸

沖合漁業は、日本の陸地から200海里(約370km)までの排他的経済水域(EEZ)内 to 主な舞台とする漁業です。20トンから150トンクラスの中型漁船を使い、数日から数週間かけて操業を行います。

日本の総漁獲量の半分以上をこの沖合漁業が占めており、日本の水産業におけるまさに主軸と言える存在です。スーパーでお馴染みのイワシ、サバ、サンマ、イカなどを大量に水揚げし、国内の安定した食生活を支えています。

  • 活動エリア:日本の排他的経済水域(EEZ)の内側
  • 操業期間:数日から、長い場合で1ヶ月程度

遠洋漁業:数ヶ月から1年超をかけて世界を回る大規模漁

前述の通り、沖合よりもさらに遠い世界中の海へと進出するのが遠洋漁業です。数人から十数人で操業する他の漁業とは異なり、350トンから500トンを超える巨大な大型漁船に多くの乗組員が寝食をともにしながら航海を行います。

日本の港へ頻繁に戻ることは難しいため、海外の港に立ち寄って燃料や食料の補給を行いながら目的地を目指します。スケールの大きさと航海日数の長さにおいて、他の2つの漁業とは一線を画す規模を誇ります。

  • 活動エリア:日本から遥か彼方の外洋や海外の海
  • 操業期間:数ヶ月から、長い場合は1年半におよぶ

遠洋漁業の代表的な3つの漁法と狙う魚

遠洋漁業では、広大な海に散らばる特定の魚を効率よく、かつ高品質な状態で捕獲するために専門的な漁法が発達してきました。

① マグロはえ縄漁:全長100キロにおよぶ一本の縄で仕留める

高級なマグロを傷つけずに獲るための代表的な漁法です。幹縄(みきなわ)と呼ばれる一本の長い縄に、餌をつけた無数の枝縄を等間隔で垂らし、海に漂わせてマグロがかかるのを待ちます。

この縄の長さはなんと全長100kmを超えることもあり、仕掛けを投入するだけでも数時間、引き上げるのには半日以上を要します。時間はかかりますが、魚体同士が網の中で擦れ合わないため、非常に綺麗な状態で水揚げできるのがメリットです。

② カツオ一本釣り:伝統の技とチームワークで豪快に釣り上げる

群れをなして泳ぐカツオを狙うための漁法です。船の周囲から勢いよく散水して小魚の群れがいるように見せかけ、興奮して海面に集まってきたカツオを、乗組員たちが一列に並んで文字通り「一本の竿」で豪快に釣り上げます。

網を使わないため魚が圧迫されず、身が活き活きとした極上のカツオを確保できます。釣り人にとっても非常にダイナミックで、高いチームワークが要求される職人技のような漁法です。

③ 海外まき網漁:巨大な網で魚の群れを丸ごと包み込む

ヘリコプターや魚群探知機を使って海中を探索し、カツオやマグロの大規模な群れを見つけたら、巨大な網で周囲をぐるりと取り囲んで一網打尽にする豪快な漁法です。

一回で数十トンもの魚をまとめて水揚げできるため、非常に効率が良く、大量の魚を安定して市場に供給する役割を担っています。主に加工用のツナ缶の原料や、日常消費される冷凍カツオなどを確保するのに欠かせない漁法です。

勘には頼らない!変化を続ける遠洋漁業の最新技術

広大な海で魚を探し続ける遠洋漁業は、かつては船長の長年の経験や勘がすべてを左右する世界でした。

しかし現代の操業現場では、テクノロジーの導入によるインフラのデジタル化が急速に進んでいます。

人工衛星から送られてくる海面温度や海流の動き、プランクトンの濃度といった膨大なデータをAIがリアルタイムで解析し、数時間単位で高精度な漁場予測を行うシステムが定着し始めています。

これにより、魚を探して無駄に船を走らせる時間が大幅に減り、高騰する燃料費を抑えながら効率的な操業を叶えています。

日本の遠洋漁業が直面している深刻な課題

日本の食生活を支えてきた遠洋漁業ですが、時代とともにその生産量は減少傾向にあり、現在は複数の深刻な問題に直面しています。

最も大きな障壁となっているのが、各国の「200海里水域(排他的経済水域)」による規制強化です。

1970年代以降、世界各国が自国の沿岸から370km以内の海域への外国船の立ち入りを厳しく制限するようになり、日本船が自由に魚を獲れる海が劇的に狭まりました。

入漁料を支払って外国の海に入らせてもらう交渉も年々厳しさを増しており、かつてのような自由な遠洋航海が難しくなっています。

さらに、原油価格の上昇に伴う漁船の燃料費(A重油)の高騰が、長期航海を行う遠洋漁業の経営を激しく圧迫しています。

それに加え、長期間日本を離れる過酷な労働環境への敬遠から、若者の担い手不足と乗組員の高齢化が進んでおり、現在の船団を維持することが年々困難になっているのが実情です。

  • 国際的な規制:200海里制限による操業エリアの減少
  • 経営面の打撃:世界的な燃油価格の高騰による経費の増大
  • 労働力の不足:長期航海に伴う若者の魚離れならぬ「船離れ」と高齢化

まとめ

世界の海を駆け巡る遠洋漁業は、私たちが1年を通じて美味しいマグロやカツオを安価に食べられる背景にある、水産業の大きな柱です。国際的な規制や燃料高騰、後継者不足といった非常に厳しい荒波の中にありますが、AIを使った効率的なナビゲーション技術や、船内環境の改善など、持続可能な産業へと生まれ変わるための挑戦が現場では続けられています。

スーパーの鮮魚コーナーで遠くの海からはるばるやってきた魚を見かけた際は、その航海を支えた技術や漁師たちの奮闘に、ぜひ少しだけ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


遠洋漁業に関するよくある質問(FAQ)

遠洋漁業の漁師さんの年収はどれくらいですか?

船の種類や役職、そしてその航海での漁獲量(水揚げ高)によって大きく変動しますが、一般的な平均年収は400万円〜1,000万円程度と言われています。大漁の際にはボーナス(歩合)が大きく跳ね上がるため、夢のある仕事として語られることも多いですが、その分長期間家族と離れて暮らす過酷な面も併せ持っています。

日本で一番の遠洋漁業の拠点(港)はどこですか?

静岡県にある焼津港(焼津漁港)が、遠洋マグロやカツオの巨大な漁業基地として全国的に有名です。特にカツオの水揚げ量においては、国内シェアの約7割を占めるほどの圧倒的な日本一の規模を誇り、周辺には最先端の冷凍加工・流通設備が整っています。

船の上での食事や生活はどうしているのですか?

数ヶ月以上を海の上で過ごすため、大型船には専属の料理人である「司厨長(しちゅうちょう)」が乗船していることがほとんどです。限られた食材を工夫し、乗組員の健康とモチベーションを保つために毎日の食事が非常に豪華に作られます。近年では、衛星通信を利用して船上から日本の家族とスマートフォンで連絡を取り合える環境作りも進んでいます。

【水産の基本】遠洋漁業とは?沖合・沿岸との違いや近年の課題を分かりやすく解説!

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この記事を書いた人

CAST公式ナビゲーター
「魚を知れば、釣りがもっと楽しくなる」をテーマに、初心者にもわかりやすい情報をお届けしています。

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