ウマンコ(タカラガイ類)

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その名前を聞くと、思わず耳を疑ったり、赤面してしまったりするかもしれません。しかし、これは決してふざけているわけではなく、屋久島(鹿児島県) などで実際に使われている、ある貝の「方言(地方名)」です。 その正体は、美しく輝く「タカラガイ(宝貝)」。古くから世界中でお金や装飾品として使われ、日本でも「安産のお守り」として珍重されてきた、人と関わりの深い貝について解説します。

項目内容
分類腹足綱タカラガイ科の総称
標準和名タカラガイ(ハチジョウダカラ、ホシダカラなど)
方言名ウマンコ(屋久島)、チョコ(沖縄)、ネコノメガイ(神奈川)
漢字宝貝、子安貝
英名Cowrie
全長数cm〜10cm(種類による)
生息域暖流の流れる岩礁帯、サンゴ礁
目次

ウマンコとは

「ウマンコ」とは、屋久島の方言で「タカラガイ(特に大型のハチジョウダカラなど)」を指す言葉です。

タカラガイは、陶器のようにツルツルとした光沢のある殻を持つ巻き貝の仲間です。

生きている時は「外套膜(がいとうまく)」という肉で殻を覆っているため、海の中ではフサフサした毛玉のように見えたり、岩に同化していたりしますが、刺激を与えると膜を引っ込めて美しい殻が現れます。

屋久島の磯では比較的よく見られ、食用にされたり、お土産物屋で「魔除け・お守り」として売られていたりします。

名前の由来:生命と安産の象徴

なぜそのような名前で呼ばれるのでしょうか。

理由は、タカラガイの殻の裏側(殻口)の形状が、女性器に似ていることに由来します。

直接的な表現に聞こえますが、古代からタカラガイはその形状ゆえに、世界各地で「女性」「生誕」「豊穣」「安産」の象徴として神聖視されてきました。 日本でも標準和名で「子安貝(こやすがい)」と呼ばれる種類があり、妊婦が握りしめて安産を祈願する風習がありました。

屋久島の「ウマンコ」という呼び名も、単なる卑猥な意味ではなく、生命の源としての畏敬の念や、親しみを込めた呼び名として定着しています。

食材としての評価

綺麗な殻は有名ですが、中身も非常に美味しいです。

サザエやトコブシに近い味と食感を持っています。

身は筋肉質で硬めですが、噛めば噛むほど濃厚な磯の旨味が溢れ出します。

ただし、殻の口が非常に狭く、身が奥まで入り組んでいるため、中身を取り出すのが至難の業です。

ウマンコ(タカラガイ)の料理

食べるためには、美しい殻を犠牲にする覚悟が必要です。

塩茹で・味噌煮

ハンマーで殻を叩き割ってから、身を取り出して茹でるか、煮付けにします。

(※茹でてから針で引っ張り出すのはほぼ不可能です)。

肝の部分も濃厚で美味しく、酒の肴に最適です。

屋久島の居酒屋などでは、殻を割った状態で提供されることがあります。

炭火焼き

殻ごと網に乗せて焼きます。

殻が熱くなると中の身が煮え、香ばしい匂いが漂います。

焼き上がったら、やはり殻を割って食べます。

「お金」としての歴史

タカラガイの英名「Cowrie(カウリー)」は、かつて世界中で「貨幣(お金)」として使われていた歴史を持ちます。

中国の漢字で「貝」という字が使われる言葉(財、貯、貨、買、貧など)は、すべてお金や価値に関係していますが、これは大昔にタカラガイが通貨として流通していた名残です。

つまり、タカラガイは文字通り「宝の貝」なのです。

まとめ

「ウマンコ」という名前は、屋久島の海人(うみんちュ)たちがタカラガイに付けた、生命への敬意を含んだ方言です。その美しい殻は安産のお守りになり、中身は美味しい食料になり、かつてはお金としても機能しました。もし屋久島へ旅行に行ってお土産屋でこの名前を見かけても、驚かずに「ああ、あの縁起の良い貝のことだな」と思い出してください。

よくある質問

どこのお店で食べられますか?

屋久島の地元の居酒屋や、民宿の夕食などで稀に出されることがあります。

市場に大量流通するものではないため、常にメニューにあるわけではありません。

「トコブシ」や「カメノテ」などと一緒に、磯の珍味として扱われます。

殻を綺麗に残したいのですが?

中身を腐らせて抜く方法(土に埋める、水に漬けておくなど)がありますが、強烈な悪臭を放つため、一般家庭ではおすすめしません。

冷凍してから解凍を繰り返し、身を溶かして水圧で洗い流す方法もありますが、根気が必要です。

お土産として買うのが一番手っ取り早いです。

毒はありますか?

タカラガイ自体に毒はありません。

ただし、内臓(中腸腺)には海藻由来のピロフェオホルバイドなどの成分が含まれることがあり、食べた後に直射日光に当たると皮膚炎を起こす(光過敏症)リスクがわずかにありますが、アワビやサザエと同様、通常量なら問題ありません。

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この記事を書いた人

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