カメノテ

当ページのリンクには広告が含まれています。
NO IMAGE画像

岩の隙間にびっしりと生えたその姿はまさに亀の手そのもの。初めて見る人はそのグロテスクな見た目に驚き食べることを躊躇するかもしれません。しかしこのカメノテこそが磯の隠れた珍味であり一度食べればその濃厚な旨味の虜になること間違いなしの食材です。見た目は貝のようですが実はエビやカニと同じ甲殻類の仲間でありその味は極上のエビとカニを合わせたような風味を持っています。スペインではペルセベスと呼ばれキロ単価が高額になることもある高級食材として愛されています。味噌汁にすれば最高の出汁が出て塩茹でにすればビールが止まらなくなるこの不思議な生き物の生態と美味しい食べ方について解説します。

項目内容
分類ミョウガガイ目ミョウガガイ科カメノテ属
標準和名カメノテ
漢字亀の手
別名タカノツメ、セイ
学名Capitulum mitella
英名Japanese goose barnacle
季節春から夏
生息域北海道南西部以南の岩礁帯(潮間帯)
目次

カメノテとは

カメノテは北海道の南西部から沖縄にかけて日本全国の海岸に生息する固着動物です。

硬い殻を持っていますがアサリやサザエなどの貝類ではなくフジツボやエビカニと同じ甲殻類に分類されます。蔓脚(まんきゃく)類と呼ばれるグループに属し海中のプランクトンを捕食して生活しています。

名前の由来はその見た目が爬虫類の亀の手にそっくりであることから来ています。地方によってはタカノツメやセイなどと呼ばれることもあります。

日本では主に味噌汁の具や酒の肴として親しまれていますがスペインやポルトガルでは非常に人気のある高級食材であり専門の漁師が命がけで断崖絶壁から採取するほどです。

カメノテの特徴

大きさは3センチメートルから5センチメートルほどです。

体は岩に固着している柄部(へいぶ)と爪のような形をした頭状部(とうじょうぶ)に分かれています。

頭状部は大小の石灰質の殻板(かくばん)で覆われておりこれが亀の爪のように見えます。この殻の間から蔓脚(まんきゃく)と呼ばれる熊手のような触手を出し入れします。

食用となるのは岩に張り付いている柔らかい柄の部分です。この部分は硬い鱗のような皮で覆われていますが中にはピンク色の筋肉が詰まっています。

カメノテの生態とライフサイクル

食性はプランクトン食性です。満潮になって海水に浸かると殻を開いて蔓脚を海中に伸ばし流れてくる動物プランクトンや有機物を濾し取って食べます。

波の荒い外洋に面した岩礁帯を好み岩の割れ目や窪みに群生しています。波が当たらない静かな場所にはあまり生息していません。

雌雄同体であり一つの個体がオスとメスの両方の機能を持ちますが自家受精はせず隣り合った個体同士で交尾を行って繁殖します。孵化した幼生はプランクトンとして海を漂った後岩盤に定着して大人の姿に変態します。

成長は非常に遅く食べられる大きさになるまでには数年の歳月を要すると言われています。

カメノテの分布と採取

日本各地の磯で見ることができますが採取にはコツと道具が必要です。

岩の隙間に強力に固着しており手で引っ張っても簡単には取れません。無理に引っ張ると美味しい柄の部分がちぎれて中身が飛び出してしまいます。

マイナスドライバーや磯金(いそがね)などの平たい金属製の道具を岩とカメノテの間に差し込み根元から剥がし取るようにして採取します。

なおカメノテは多くの地域で漁業権の対象となっているか採取が禁止されている国立公園内にある場合があります。海に行く際は必ず現地のルールを確認し無断採取(密漁)にならないよう注意してください。

カメノテの料理

見た目からは想像できないほど上品で濃厚な出汁が出ます。可食部は少ないですがその味は絶品です。

塩茹で

最もシンプルかつ美味しい食べ方です。

海水程度の塩水で5分から10分ほど茹でます。茹で上がったら粗熱を取り爪の部分を持って柄の部分の皮をひねるようにして剥きます。するとピンク色の身が現れるのでそれをかじり取って食べます。エビとカニと貝を合わせたような濃厚な旨味と独特の食感が口の中に広がります。スペインバルなどでは定番のタパス(小皿料理)です。

味噌汁

カメノテ料理の王道です。

よく洗ったカメノテを水から煮出し沸騰したらアクを取って味噌を溶き入れます。カメノテから驚くほど良い出汁が出るため出汁入り味噌や鰹節などは不要です。磯の香りが凝縮された至高の味噌汁になります。もちろん出汁を取った後の身も食べられます。

酒蒸し

フライパンにカメノテと酒を入れ蓋をして蒸し焼きにします。ニンニクやオリーブオイルを加えてアヒージョ風にしても美味です。

まとめ

カメノテは磯遊びの際に足元を見ればそこにいる身近な生き物ですがその中身は世界が認める美食材です。亀の手を食べるというビジュアル的なハードルさえ乗り越えればそこには磯の恵みが凝縮された感動的な味わいが待っています。もし鮮魚店や旅先の市場で見かけたら迷わず購入し塩茹でや味噌汁でその実力を試してみてください。

カメノテに関するよくある質問

貝ではないのですか

はい貝(軟体動物)ではありません。フジツボと同じ蔓脚類に属する甲殻類です。解剖学的にもエビやカニに近い特徴を持っており味も甲殻類特有の甘みと旨味があります。

どこまで食べられますか

先端の爪(殻)の部分は食べられません。食べるのは根元の柄の部分(茶色くてザラザラした皮の中にあるピンク色の肉)です。爪を持って皮を剥き中身を食べます。また爪の中にある黒いヒラヒラした部分(蔓脚)も食べることはできますがジャリジャリとした食感であまり美味しくないため残す人が多いです。

砂出しは必要ですか

砂の中に住んでいるわけではないのでアサリのような砂出しは不要です。しかし岩の隙間に住んでいるため殻の表面や隙間に砂や泥がついていることがあります。調理する前にボウルに入れて殻同士をこすり合わせるようにして念入りに水洗いし汚れを落とすことが大切です。

NO IMAGE画像

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

役に立ったらシェアしよう♪
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

CASTは、「釣りを、もっと身近に、もっと楽しく」をテーマに、釣り人(アングラー)に向けた釣り専門メディアです。

釣り初心者が知りたい基礎知識から、ベテランアングラーも唸るような上級者向けのテクニック、さらには最新の釣具レビューや穴場スポットの情報まで、質の高いコンテンツを発信しています。

「読んだら、すぐに釣りに行きたくなる。」

そんな、釣りへの情熱とワクワクを読者の皆様にお届けすることを目指しています。

目次