アイブリ
当ページのリンクには広告が含まれています。

0人が参考になった
「ブリ」という名前が付き、見た目もブリに似ていますが、実はブリ(アジ科)の仲間ではなく、メダイやイボダイに近い魚です。その姿がブリと他の魚の「合いの子(あいのこ)」のように見えることから「アイブリ」と名付けられました。市場に出回ることは極めて稀で、釣り人の間でもめったにお目にかかれない「幻の魚」の一つとされています。しかし、その味は知る人ぞ知る絶品で、全身に脂が回った白身は「トロのような味わい」と称賛されます。ヌルヌルとした粘液に覆われた体の特徴や、名前の由来、そして見つけたら即買いすべきその美味しさについて解説します。
| 項目 | 内容 |
| 分類 | スズキ目イボダイ科(またはエボシダイ科)アイブリ属 |
| 標準和名 | アイブリ |
| 漢字 | 合鰤、相鰤 |
| 別名 | オオメ、ウシシビ(富山)、ネコマタ |
| 学名 | Ariomma lurida |
| 英名 | Silver-rag driftfish |
| 季節 | 秋から冬 |
| 生息域 | 南日本、インド・太平洋の深場(水深200m以深) |
目次
アイブリとは
アイブリは、暖かい海のやや深い場所(水深200メートルから500メートル付近)に生息する深海性の魚です。
成魚は体長1メートル近くまで成長することもあり、体型は紡錘形でブリによく似ていますが、ブリよりも体高が高く、目が大きいのが特徴です。
体色は背中側が青黒く、腹側は銀白色をしており、死ぬと全体的に黒ずんでくることがあります。
最大の特徴は体表から分泌される粘液です。
釣り上げると体中がヌルヌルとした粘液で覆われており、これがメダイやイボダイの仲間であることを物語っています。
定置網や底引き網で稀に混獲されますが、まとまって獲れる魚ではないため、一般のスーパーに並ぶことはまずありません。
名前の由来とブリとの違い
【合いの子のブリ】
名前の「アイ」は、「合いの子(混血)」や「間(あいだ)」を意味します。
見た目が「ブリ」に似ているものの、どこか「メダイ」のような雰囲気も持っており、両者の中間のような魚であることからアイブリと名付けられました。
【ブリとの見分け方】
- 目: アイブリの目は、ブリに比べて非常に大きく、パッチリとしています(深海魚の特徴)。
- 体表: ブリはツルッとしていますが、アイブリは粘液でヌルヌルしています。
- ヒレ: 第1背ビレ(背中の前のヒレ)が、アイブリの方がしっかりとしています。
食材としての評価
市場での知名度は低いですが、味の評価は極めて高い魚です。
身は非常に良質な白身で、大型の個体は「全身大トロ」と表現されるほど脂が乗っています。
ブリの脂とは少し異なり、イボダイ科特有のしっとりとした、ワックスのような(人体に無害な)濃厚な甘みのある脂です。
身質は柔らかく、口の中でとろけるような食感を楽しめます。
加熱しても硬くなりにくいため、どのような料理にも合います。
珍しさと美味しさから、産地では高級魚として扱われることもあります。
アイブリの料理
ヌルヌルさえ処理すれば、極上の料理になります。
刺身・炙り
鮮度が良ければ刺身が絶品です。
醤油を弾くほどの脂乗りで、口に入れると体温で脂が溶け出します。
脂が強すぎる場合は、皮目を炙って「焼き霜造り」にすると、香ばしさが加わり食べやすくなります。
煮付け
柔らかい身は煮付けに最適です。
脂が煮汁に溶け出し、こってりとした濃厚な味になります。
メダイの煮付けに似た、ご飯が進む味わいです。
塩焼き・照り焼き
焼くと脂がジュワジュワと溢れ出します。
身が縮まず、ふっくらと仕上がります。
西京漬けや幽庵焼きにしても、脂の甘みと味噌の風味がよく合います。
下処理のポイント(ヌメリ取り)
美味しく食べるためには、体表の粘液をきれいに取り除くことが重要です。
包丁の背を使ってヌメリをこそげ落とし、塩を振って揉み洗いし、水でよく洗い流してください。
この処理をしっかり行うことで、生臭さを消すことができます。
まとめ
アイブリは、ブリのようでブリじゃない、ヌルヌルとした深海の珍魚です。その名前から「偽物のブリ」のような印象を受けるかもしれませんが、味に関しては本家ブリをも凌駕するポテンシャルを秘めています。もし漁港の直売所やこだわりの鮮魚店で、目が大きくて黒っぽいブリのような魚を見かけたら、それは幻のアイブリかもしれません。迷わず購入して、そのとろける脂を堪能してみてください。
アイブリに関するよくある質問
ブリと味は似ていますか
脂が乗っている点は似ていますが、脂の質や身の香りが異なります。
ブリには特有の青魚の酸味や鉄分を感じる風味がありますが、アイブリはメダイやイボダイに近い、クセのない白身の甘みと、クリーミーな脂の質感が特徴です。
毒や骨に注意点はありますか
毒はありません。
骨も一般的な魚と同じで、特別硬かったり複雑だったりすることはありません。
ただし、体表の粘液が古くなると生臭さの原因になるので、下処理だけは丁寧に行ってください。
どこで釣れますか
専門に狙って釣れる魚ではありません。
中深海(水深200m〜)のアカムツ(ノドグロ)釣りや、オニカサゴ釣りの外道として稀に掛かることがあります。
釣り人の間でも「釣れたらラッキー」なレアフィッシュです。
この記事はいかがでしたか?




















