ブドウイカ

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一般的なケンサキイカよりも体が太く丸みを帯びており、秋から冬にかけての短い期間に日本海西部で水揚げされるブドウイカ。標準和名としてはケンサキイカの季節型として扱われることが多いですが、その味は「夏イカ(通常のケンサキイカ)」を凌駕すると言われるほど濃厚で甘みが強いのが特徴です。特に山陰地方や九州北部では高級食材として珍重され、その独特の太い体型と葡萄(ぶどう)のような赤紫色の体色からこの名が付けられました。釣り人の間では秋の夜遊びのターゲットとして人気が高く、市場では高値で取引されるこのイカの正体や、ケンサキイカとの微妙な違い、そして素材の甘みを極限まで楽しむ食べ方について解説します。

項目内容
分類ツツイカ目ヤリイカ科ケンサキイカ属
標準和名ブドウイカ(ケンサキイカの季節型)
漢字葡萄烏賊
別名シロイカ(山陰)、太イカ、ブトイカ
学名Uroteuthis edulis f. budo
英名Swordtip squid (seasonal form)
季節秋から冬(9月〜12月)
生息域日本海西部(山陰から九州北岸)
目次

ブドウイカとは

ブドウイカは、日本海西部(特に山口県、島根県、鳥取県から長崎県周辺)に生息するヤリイカ科のイカです。

生物学的には独立した種ではなく、ケンサキイカの「季節型(ブドウイカ型)」とされています。

通常のケンサキイカが春から夏にかけて産卵・漁獲されるのに対し、ブドウイカは秋から冬にかけて成熟し、産卵のために接岸してきます。

名前の由来は、釣り上げた時や興奮した時に体が鮮やかな赤紫色(葡萄色)になることや、通常のケンサキイカよりも胴が太くてずんぐりしていることから「太(ぶと)イカ」が転じたという説などがあります。

山陰地方では「シロイカ」と呼ばれることが多いですが、これは夏に獲れるケンサキイカと同じ呼び名であるため、消費者が混同しやすい側面もあります。

ブドウイカの特徴

体長は外套長(胴体の長さ)で20センチメートルから30センチメートル前後になります。

最大の特徴はずんぐりむっくりとした体型です。

夏のケンサキイカがスラリと細長いのに対し、ブドウイカは胴回りが太く、肉厚です。

触腕(長い2本の腕)も太くて長く、吸盤が大きい傾向にあります。

また、ヒレ(エンペラ)の形が菱形で大きく、外套長の60パーセント以上を占めるのも特徴の一つです。

生きている時は透明感がありますが、ストレスを感じると濃い赤紫色に変色し、その色が名前の通り葡萄の実を連想させます。

夏のケンサキイカとの違い

同じケンサキイカでありながら、夏型と秋型(ブドウイカ)には味や食感に明確な違いがあります。

身の厚みと柔らかさ

夏のケンサキイカは身が比較的薄くてコリコリとした食感が強いですが、ブドウイカは身が分厚く、それでいて非常に柔らかいです。

包丁を入れた時の感触がモチモチとしており、噛み切るのに力が要りません。

甘みの強さ

イカの王様と呼ばれるアオリイカにも匹敵する、あるいはそれ以上とも言われる強い甘みを持っています。

アミノ酸の含有量が多く、口に入れた瞬間に濃厚な旨味が広がります。

このため、イカ好きの間では「味ならブドウイカが一番」と推す声も多いです。

山陰の秋の味覚

鳥取県や島根県、山口県の漁港では、秋になるとイカ釣り漁船の漁火(いさりび)が水平線に並びます。

特に山口県の仙崎漁港などでは「仙崎ぶとイカ」としてブランド化されており、肉厚で甘いブドウイカは贈答用としても人気があります。

鮮度落ちが早いため、かつては産地のみで消費されていましたが、現在は冷凍技術や輸送網の発達により、都市部の高級寿司店などでも味わえるようになりました。

ブドウイカの料理

その濃厚な甘みと柔らかさを味わうには、やはり生のまま食べるのが一番です。加熱しても硬くなりにくいため、煮物や焼き物でも美味しくいただけます。

刺身・イカそうめん

ブドウイカの真骨頂です。

身が厚いため、薄く削ぎ切りにするか、細かく包丁を入れてイカそうめんにします。

醤油につけると脂のように甘みが溶け出し、ねっとりと舌に絡みつきます。

生姜醤油やわさび醤油はもちろん、塩とすだちで食べると甘みがより際立ちます。

一夜干し(白スルメ)

肉厚な身を一夜干しにすると、水分が抜けて旨味が凝縮されます。

軽く炙って食べると、繊維が柔らかいため簡単に噛み切れ、中からジューシーなエキスが溢れ出します。

マヨネーズと七味唐辛子を添えれば、最高級の酒の肴になります。

煮付け・天ぷら

加熱しても柔らかいままなので、里芋との煮付けや天ぷらにも最適です。

煮付けると出汁を吸ってふっくらと仕上がり、天ぷらにすると衣のサクサク感と身のモチモチ感が絶妙なコントラストを生みます。

まとめ

ブドウイカは、秋の日本海が育んだ肉厚で甘美なイカです。分類上はケンサキイカの一部ですが、その味わいは別格であり、季節限定の贅沢な食材として確固たる地位を築いています。夏のコリコリとしたイカも美味しいですが、秋の夜長に味わうねっとりと甘いブドウイカは、日本酒との相性が抜群です。もし秋口に「太くて丸いシロイカ」を見かけたら、それは幻のブドウイカかもしれません。ぜひその濃厚な甘みに酔いしれてみてください。

ブドウイカに関するよくある質問

アカイカとは違いますか

違います。

アカイカは別種(アカイカ科)の大型のイカで、主に加工食品や冷凍ロールイカなどに使われます。

ただし、地域によってはケンサキイカのことを「アカイカ」と呼ぶ場合があり(特に関東や北陸など)、非常に紛らわしいです。

ブドウイカはあくまで「ケンサキイカの季節型」であり、標準和名のアカイカとは全く別の高級イカです。

どこで買えますか

秋から冬にかけて、山陰地方(鳥取、島根、山口)や九州北部(福岡、佐賀、長崎)の鮮魚市場や道の駅で販売されます。

スーパーに並ぶこともありますが、漁獲量が少ないため見かける機会は限られます。

確実に手に入れたい場合は、産地の漁協直売所や通販サイトを利用するのがおすすめです。

寄生虫の心配はありますか

アニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。

新鮮なものは刺身で食べられますが、自身で調理する場合は目視でよく確認するか、飾り包丁(隠し包丁)を細かく入れて寄生虫を切断する、あるいは一度冷凍処理をするなどの対策が有効です。

特に内臓周辺にいることが多いため、捌く際は注意深く確認してください。

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この記事を書いた人

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